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実用や本質と立場や正義がせめぎ合うブログ

コインは表と裏がくっついてコイン。 表の後ろを裏と呼び、裏の前を表と呼ぶ。 要するにコイン。

挿入型パワーメーター 

005_20090930230750.jpg以前紹介したMetriGear社の新しいパワーメーターについて、 かなり情報が出てきたので記事にします。
この新しいパワーメーターの製品名は、「Vector(ヴェクター)」。 現時点の情報を見る限り、SRM、Quarq、Power Tapの3大パワーメーターと並べても霞まない魅力を十分に持っていると言えるでしょう。 少なくとも私は期待大です^ω^

Be able to detect not only magnitude but also “vector”.


まず初めに、以前の記事でメトリギアのURLリンクを失敗していまして、正しく表示されなくなっていました^q^ 何度も試した方、ごめんなさい!
以前の記事でも述べたことから書き始めますが、ヴェクターはペダル内蔵式のパワーメーターで、ペダル軸の歪みを測定してパワーを計測します。 例えばパワーメーターの王様であるドイツのSRMは、ペダルを踏んだ時にクランクのスパイダーアームがどれだけしなるか測定し、そこから踏力のワット数を算出しています。 SRMとクオークは測定方法が同じですが、パワータップは後輪軸から測定しているなど、これはパワーメーターごとに違いがあって測定方法自体が特色であるとも言えます。
ちなみにメトリギアという会社はアスリート(どの程度の人なのかは分かりませんが)と研究者で構成されているそうで、社長さんもかなり走る方なのだとかw おもしろい会社のようです。
 
ここからはまず、メトリギア本社ウェブにある文章から重要な部分だけ私が適当な日本語訳をしておいたので載せておきます。 あくまで私程度の英語力と知識で書いたものですから、英文と照らし合わせながら疑って(笑)お読み下さい。

At the heart of Vector is a custom-designed system with over 60 piezoresistive strain gauges, accelerometers, and temperature sensors and an efficient electronics architecture that processes the forces that a cyclist applies to the pedals.
The sensors and electronics are environmentally sealed within the pedal spindle and each unit is calibrated by MetriGear.
By detecting the microstrain that naturally occurs in the spindle as the cyclist pedals the bicycle, Vector uniquely measures force vectors – the magnitude and direction of the cyclist’s pedaling effort.
Vector measures these forces independently in each leg throughout the entire pedal stroke, collecting data at a rate of more than half a million samples per second.
“Productive” force, “waste” force, the extent to which the cyclist pulls up, pulls across the top, pushes down, etc., Vector measures and collects it all.

ヴェクターで非常に重要なのは60以上にも及ぶ特別設計されたピエゾ抵抗素子(※1)の測定機能で、歪み、加速度、温度などを測定し、それらを乗り手がペダルに供給したパワーとして処理しています。 またその効率は電気工学的に非常に優れています。
センサーや機械部分はペダル軸の中に封入され耐腐食性(※2)が確保され、またどちらもメトリギアで調整(キャリブレーション)された状態で出荷されます。
ヴェクターは乗り手がペダルをこいだ際にペダル軸内で生じるわずかな歪みを検出することで、乗り手の出力がどのような大きさで、またどちらの方向に出力されているのかを測定することができます。
乗り手の出力を左右のペダルそれぞれで計測し、ペダルストロークの全体を通して1秒間に50万以上のデータとして収集します。
故に、生産的な力と無駄な力、引き足から送り足、踏み足の各範囲などを全て測定し記録することができます

1:「ピエゾ抵抗素子」とは、簡単に言うと歪みを測定できる電気回路やその部品のことです。 電気工学など全く知らないので、これ以上は私の理解の範疇ではありませんね。 応用することで加速度なども扱えるようです。
2:「environmentally sealed」の本来の意味として「耐腐食性」という日本語をあえて選んでおきました。 「耐腐食性がある」とは、水(雨)や空気(風)などの自然環境と緩衝性があるということを指しています。 つまりここ(パワーメーター的な意味で)では「防水性が確保されている」と読み解いて差し支えないでしょう。


以上の文章はヴェクターの技術的要点について述べられたものなので、自ずと他社製品との内容・質の違いとしてもとらえることができます。 「ヴェクター」という名前の由来もおわかりいただけたのではないでしょうか。

011_20090930230749.jpg右の画像はインターバイクでメトリギアのブースに展示されていた物ですが、左から順に 1.スピードプレイのペダル(ノーマル:改造なし) 2.センサー部分 3.機械・回路部分 4.バッテリー となっており、ヴェクターの本体はこれっきりしかありません。 正直他のパワーメーターに比べて明らかに部品点数・体積が少なすぎて「本当に大丈夫か?」とか「こんなに小さくて済むんだったらなぜ他の(ry」といった疑問がわいてくるのですが・・・いや、本当にどうなってるんでしょうw
ちなみにこのバッテリーは充電式で、バッテリーパックの外側には親切に充電の目安ゲージが付いているそうですw

  1. 発売時期と価格
    メトリギアによると、当面2010年の4月までを目標にして準備を進めるとのこと。
    また価格は1000ドル以下を目指しており、これが本当に実現するなら一気にパワーメーターの主役になる可能性も大いにあると言えるでしょう。 現在最も安く堅実なのはパワータップですが、パワータップはホイールとセットで考えなければいけないため、もし1000ドルアンダーが実現するなら実質ヴェクターが最も求めやすいパワーメーターとして地位を築くことになるでしょう。

  2. 計測誤差は±1.5%以内
    これはとても優れた値と言えます。 例外的にSRMの最高機種・Scienceが誤差±0.5%以内を実現していますが、その他のSRM主力製品は±2.0%で、同じ測定方法をとるクオークのCinQo Saturn±2.0%、パワータップはヴェクターと同じ±1.5%となっています。
    クオークは現在±2.0%を掲げていますが、販売当初もう少し大きな数字(確か±5.0%?)を出していたので、ヴェクターが現時点で±1.5%を打ち出すのはかなりの自信があるのではないでしょうか。

  3. 新しい測定方法および機能
    ヴェクターはペダルスピンドルの空洞部分にセンサーを挿入し、それを両側のペダルで測定してトータルワット数を算出しています。 また、ヴェクターは出力量(ワット数)だけでなく出力された方向(vector)も感知できるので、例えば「ペダルが○時の位置にある時に、△ワットの出力があった」というようなチェックも可能なのです。

  4. 本社で調整・校正(calibration)し出荷
    パワーメーターに限らず、“何かをはかる”計測機具で重要なのはいかに正確な値を出せるかという一言に尽きるわけですが、測る道具が歪んでいたらそんなことは望むべくもないのです。 例えば100wの力でペダルを踏みこんだところ、ペダル軸が1mmたわんだとします。 その時確かにパワーメーターが100wと表示をしたならば、そのパワーメーターの中には1mmの軸の変化=100wとして認識する定義がインプットされているのです。
    この定義は全てに共通なのではなく状況により違いあるもので、ヴェクターの場合で言えば、チタンシャフトとクロモリシャフトとではたわみ方・しなり方が当然同じであるはずがありません。 よって、それぞれの実物に合わせた定義を設定してやる必要があります。 それがスロープ値と呼ばれるものであり、それを調整することを「calibration(キャリブレーション)」校正調整と呼んでいるのです。 SRMが他と違う点はまさにここであり、セルフキャリブレーション・・・ユーザー側が個人でスロープ値を校正することができます。 SRMやクオークの場合、パワーメーターを使用しているうちにスロープ値が変化してしまうことがあるようで、「クオークがセルフキャリブレーションできれば文句なしだったのに(´・ω・`)」という声も少なからずあると思います。
    さて、ヴェクターの場合はどうかというと、最初に本社で校正された後に出荷されると書かれているのですが、そんなことは当たり前ですw 校正を最初からユーザーに丸投げするパワーメーターなど聞いたことがありません^q^ 問題なのは、後でセルフキャリブレーション可能なのかどうかということです。 これについては記述が見あたらないのですが、私個人の考えとしてはできないだろうと思います。 雰囲気的に(笑)という理由もあるんですが、一番大きいのはヴェクターが機械的にSRMやクオークよりもパワータップに近いパワーメーターだからです。 SRMとクオークは、クランクのスパイダーアームで歪みを計測しています。 その場合スパイダーアームはもちろんのこと、チェーンリングという素材が歪みに大きく影響します。 チェーンリングはその時々のシチュエーションに合わせて交換することがごく当たり前にある部品ですし、そもそも消耗品なわけですからね。 そうやって移動があり、また素材や形状の違う別の銘柄に変更できてしまう・する可能性が十分にあるチェーンリングによって、SRMとクオークはいちいちスロープ値が変わってしまうのです。 これをいちいち本社まで厳重に梱包し送り返していてはいくらお金と時間があっても足りません。
    が、ほとんどスロープ値の補正を必要としないパワーメーターがあります。 それがパワータップです。 パワータップはリアハブ交換式で、スロープ値の自主校正はできません。 しかしSRMやクオークのようにスプロケットの交換などで測定値に変化をきたすことがなく安定的に使うことができます。 もちろん何かの事故などでスロープ値が狂ってしまった時はおとなしく工場へ送り返すハメになるわけですが、そうなってしまう人はごく稀でしょう。 ヴェクターもパワータップと同じように、ベアリングを交換する人はいてもペダル軸を交換しなければいけない人はごく稀であり、また交換することになっても同じ物を選べばまずスロープ値に校正の必要はないと考えられます。

  5. ANT+無線方式を採用 ケイデンスマグネットは必要なし
    おきまりになりつつありますが、ヴェクターもANT+を採用しています。
    また、ヴェクターにはケイデンスメーターの機能を備えており、ケイデンスマグネットは必要ありません。

  6. 利便性
    メトリギアがPRするヴェクターの長所に利便性というものがあります。 つまり気軽にお選び頂けますよ、というところを売りにしているわけです。 それは1000ドルアンダーという価格もさることながら、まず重量が軽く、取り付けも簡単ですぐに別の自転車に交換可能な面が非常に大きい。
    重量は片側25gの、両側ペアでたったの50g。 SRMやクオーク、パワータップといった御三家が絶望してその場で切腹するくらいの軽量を誇っています。 まぁもう見た目からして「どんだけ小さいのっ(´゚д゚`)?」という疑問はつきないのですが、それにしてもバッテリーパックまで入れてこの軽さは少々どころではなく反則すぎます。 これでふたを開けてみたら実はバッテリーパック抜きの重量でした、なんてことがなくもなさそうなんですが、逆にセンサーと機械回路部分だけで片側25gもあるのかと考えるとそれもまたなさそうです。
    また他のパワーメーターと違うのは、事前の面倒な組み込み作業が皆無という点です。 SRMとクオークは、スパイダーアームを引っこ抜いて交換するという荒っぽい作業をしなければ取り付けできません。 パワータップもまたホイールに予め組んでおかなければいけないわけです。 一方でヴェクターは、耳かきのようにセンサーをペダルスピンドルの穴へ挿入し、バッテリーをクランクの先っちょに固定するだけ。 これがメトリギアの推すヴェクターの強みなのです。

    しかしこれにはどうしようもない欠点もあって、今のところ対応しているのはスピードプレイのペダルだけなのです。 つまるところこれはペダルスピンドルに穴が開いていないと挿入できないため、「他社のペダルについても対応を検討する」とは言っているものの実際にはかなり難しいのではないかと思っています。 まぁどこも中空構造にはなっていると思うので、単に入り口をぶち抜けば済む話・・・なのか?その辺りは私には分かりません。

今のところ分かっているのはこんなところでしょうか。 他にはファームウェアのアップデート用にPC用接続ドングルが付属してくるだとか、ついこないだ抽選か何かでヴェクターを試験使用してくれる人が選ばれたとか、そんな感じの情報はあります。
私はスピードプレイのペダルにいつか換装しようと考えているのでヴェクターがスピードプレイにしか対応していなくても何ら問題ありません。 このまま情報通りかそれ以上の物を販売してもらえたら、多分買ってしまうと思います^q^ それくらい魅力的に思えます。 性能が十分で、かつ「買える」価格なのが大きいです。 スピードプレイのペダルと合わせても、おそらくクオークより安い。
今後もメトリギアに注目していきたいと思います。
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2009/10/02 Fri. 01:11 | trackback: -- | comment: 0edit

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