05 « 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.» 07

実用や本質と立場や正義がせめぎ合うブログ

コインは表と裏がくっついてコイン。 表の後ろを裏と呼び、裏の前を表と呼ぶ。 要するにコイン。

牛乳屋さんの自転車 

003_20090805161636.jpgこれまで数回にわたって記事にしてきたスペインのBH・G5ですが、もう候補から外すことにしました。
逆に新しく候補に入ったフレームが、ツールでMilramが使っていたこちらのフレームです。
ポロリ追記もあるよ)

For flesh milk.


いきなり話題がそれてしまいますが、少なくとも現時点でG5を新しいフレーム候補から外すことにしました。まずあまりにも情報があやふやだし、ゼロオフセットのシートピラーやスローピングしたトップチューブなど、自分に合っていない部分が多すぎます。

そこで新たに候補に挙がったのがFocus(フォーカス)社のIzalco 2010です。フォーカスはドイツのメーカーで、今年のツールドフランスではミルラムが乗っていました。
よく「made in USA」とか「made in Italy」など生産地のラベルが貼られていますが、もはやその多くが台湾製であることは自転車界の常識というくらいあからさまになっています。つまり生産地が仮にアジアであっても、塗装や組み付けを本国で行いさえすれば・・・もっとひどくなると「シールは本国で作ってるから>ω<b」というだけで「めいどいん・どこそこ(笑)」のシールが光ることになります。しかしドイツの場合は法律が他国より厳しいので、そんなことでは「MADE IN G E R M A N Y !!!」を語ることはできないのです。
もちろんドイツで作ってるからと言って全部いい物だというわけではありません。シャウエッセンよりマズいウィンナーはいくらでもあるでしょう。ただ物の価値として、毒入り餃子を量産してはばからないどこぞの国よりも、多少高かろうと産地が分かっている国産の野菜を買う心理と同じです。

調べてみると分かると思いますが、イザルコはG5やSupersix Hi-modに比べて明らかに情報量が少ないです。ハッキリ言って調べにくいことこの上ない・・・画像もほとんど出てきません。
つい最近、フォーカスの日本代理店であるダイワが展示会を行ったようですが、どのショップのブログを見ても2010年モデルのイザルコは一切記述も画像も見あたりません。
つまり現時点では、発売時期や販売価格、ジオメトリーなど、購入にあたってとても重要な情報が霧の中ということなのですが、既に明らかになっている設計上の特徴を下にまとめてみました。

  1. 上部1 1/8”、下部1 1/4”の異径ヘッドベアリング
    最近本当に色々な会社が採用していて完全に流行になった、ヘッドパーツの上下でベアリングの径を変える設計。G5は下部が1 1/2”だったので、それよりかは控えめな差ということになる。
    この工作にはもちろん剛性アップがねらいとしてあるわけだけども、フォーカスの説明には空力の文字があった。これは2番目の3T製フォークと合わせて考えられることだろう。

    (8/5/2009 20:46追記)
    数字的に明示すると前モデル比10%の剛性アップだそうだが、そんな風に言われてもあまりピンとこない('A`)

  2. フロントフォークは3T社に特注
    016_20090805161929.jpgこれもまたG5がEdge Composites社にそうしたように、フォーカスの場合は3Tにフォークの製作を依頼している。G5の場合はフォーク単体の画像がBH本社の手による画像で出回っていて、コラムパイプのクラウン付近がぽっこりとふくらみを帯びたデザインであることが分かる。
    トレックは「これをやったのはうちが世界初だ!」と言っているらしく、そう主張するくらい剛性に関与する形らしいのでできることなら3T製イザルコ用フォークもこの形になっていれば最高だ。

    (8/5/2009 21:27追記)
    参考までに書くと、ベースになっているのは3T Funda Pro。

  3. BB30採用
    これがなければ私の新しいフレーム候補に入ることはありえない。
    フォーカスのページではBB30にすることでBBにつながっている様々なパイプを太くすることができて云々・・・ということが書かれていて、ダウンチューブやチェーンステイを太くしたらしい。

  4. 27.2mmのシートピラーを使用
    現在主流は31.8mmであるシートピラーに、あえて27.2mmのシートピラーを使用する。

  5. 特殊形状のシートステイ
    009_20090805161909.jpgパッと見で分かるイザルコ2010の最大の変更点が、Elbowed Comfort Seatstayという特殊な出っ張りのあるシートステイ接合設計。その名前に入っている通り快適性を狙っているらしいが、それ以外にもこんなで横剛性が上がっているらしい。
    なんだかもうこういうのは「言ったもん勝ち」みたいな雰囲気があるから鵜呑みにするのはどうかと思うが、とにかく開発陣はそういう意図のもと設計したようだ。

  6. ケーブルの内蔵工作
    正直これはよく分からない。
    なんというか・・・もし自分が開発者なら、おそらく一番前面に押し出して宣伝するのは1つ前のエルボードシートステイだと思う。見た目的にもかなりのインパクトがあるし、実際これだけパイプの角度が変われば嫌でも感覚に影響が出るだろう。
    ところが数少ないイザルコ2010の特集ページに、ことある毎に登場する開発者の一人の「」付き文章には、エルボードシートステイではなくこのケーブル内蔵加工・Reinforcing integrated cable tunnelsが一番のポイントだ、というような内容が書かれている。

    012_20090805161909.jpg原文を載せると
    “Our new technologies, especially the Integrated Cable Tunnel, lend the new FOCUS Izalco an extremely impressive design. Rounded lines and soft forms unite with the aggressiveness of a truly unique language of form”, states Jörg Arenz, product manager at Focus.
    http://www.focus-bikes.com/news.asp?lang=spanish&active=3より)

    適当に翻訳すれば、
    「私たちの新技術の中でも特にこのインテグレーテッドケーブルトンネルがイザルコ2010に非常に印象的なデザインを与えていて、丸みを帯びた曲線が攻撃的なフォーカスのロゴと結びついています。」と、フォーカスの設計主任は申しております^ω^
    (正直「language」の示すものが「フォーカスのロゴ」で合っているのかはかなり疑問:どう見てもフォーカスのロゴは攻撃的には見えない)

    まぁあくまで適当な訳なので深く考えない。問題なのは最初の1文だけ。
    確かにこのケーブルトンネルの盛り上がりはかなり目に付くかもしれないが、エルボードシートステイをさしおいてまで説明するようなことなんだろうか?

    (8/5/2009 20:26追記)
    決定的な画像が出るまで何とも言えないが、Reinforcing integrated cable tunnelsによっていったんフレームの中に取り込まれたシフトケーブルは、どうやらBBまで切断されることなく伸び続けているらしい。
    しかし見れば分かるのだが、確かにFDのシフトケーブルはBB下で切れてワイヤーだけがFDに向かって伝っているものの、RDのシフトワイヤーはどうも前はブラケットから後ろはRD本体までとぎれることなくケーブルがつながっているような気がしてならない。「メンテナンス性が高い」という文字はあったのだが、それがどんな風にメンテナンスしやすいのかは書いていなかったので、結局クローズアップした画像が出てこない限りこの話に決着はつかない。

    また、
    Reinforcing integrated cable tunnelsはダウンチューブの横剛性を「Reinforcing」しているらしい。
    設計者もこのヤリスギな感も否めない内蔵加工で重量が増えるのは承知しているようで、ワイヤーを外回しにすれば60gはフレーム重量を(「フレームの重量」であってケーブルを含めればずっと重い)削減できることは承知の上で、それでも剛性や走行感が向上するから採用したと言っている。
    それ以外にも特にヘッド周りの取り入れ口が他と違ってケーブルの取り回しをスムーズにするので、コーナーでハンドルを切った際にもつかえることがないという。
    実際今のフレームはごく普通にパーツを選んで組み付けるだけでUCI(笑)ルールの6.8kgを下回ってしまう物がバンバン出てきているので、言っていることが本当ならそのために採用して何の問題もないだろう。

  7. タイヤの太さは25mmまで選択可能
    私は特に気にすることではないが、長距離を走る人にとってはうれしいことなんだろう。クリアランスを旧モデルより拡げたようで、25mmのタイヤが装着可能とのこと。

    太いタイヤと言えば嫌でも思い浮かぶのがパリルーベ。中にはほとんど別の自転車じゃないの?というくらい特別仕様の自転車でパリルーベを走る選手も少なくない数いる中で、フォーカスとしてはこのまま走ってもらいたいところだろうか。来年まで待たなければこの答えは出ない。

    (8/5/2009 20:20追記)
    主任のアレスによると、タイヤクリアランスが25mmに対応していることは、ことヨーロッパ市場においては販売戦略上非常に重要なことなんだそうだ。本人は「クリンチャーのことを考えたらもっと太くてもいい」とまで言っているのでマジなんだろう。海外ではロングライドを楽しむ人口が日本より格段に多い。

  8. 色は4色、サイズは8つでその上2種類のグレードを用意(8/5/2009 21:18追記)
    4色あるのはいいとして、サイズが8つというのはかなり豊富で細かい気の利いたジオメトリーが期待できるのではないだろうか。
    また素材の質の差で同じイザルコ2010に2つのグレードがあるという。1つは東レ製ハイモジュラスカーボンを使用したグレードで、サイズ58でフレーム単体重量990gと軽量に仕上がっている。もう一方は仕上げや形は全く同一だがカーボンのグレードを落として安価にした製品だそうだ。160gの重量増で、完成車で販売される際はアルテグラやフォースなど各コンポーネントメーカーのセカンド以下のグループセットを組み付けて販売する。


発売時期など重要な情報がほとんど分からないと書きましたが、あるページには欧州で約2400ユーロで販売される見通しだと書いてありました。現在のレートではだいたい33万円ほどで販売されるということですね。
そうなると単純に比較して今の日本代理店は10万円ほど利益を乗せてフレームを販売していることになるんですが、詳しく知っているわけではないのでそういう風に見えてしまうよねという一介の素人による個人的な意見としてとどめておきましょう^ω^
スポンサーサイト
2009/08/05 Wed. 16:22 | trackback: -- | comment: 4edit

コメント

これはまたドイツっぽいデザインですね。彫刻的なラインが印象的です。

くりた #- | URL | 2009/08/05 18:01 * edit *

>>くりたさん

ツールには今年2つのジャーマンフレームが供給されました。
CanyonとFocusです。
実は前にCanyonにすごくハマったことがあり、同じように調べまくったことがあります。
私はドイツがツボなのかもしれないな・・・と思うのはフレームに限らず工具や筆記具など色々なところに見られる傾向で、日本人とドイツ人はきっとうまくやれるんだろうなと思うことが少なくありません。
物作りに対する姿勢に大いに共感できるところがありますし、素材フェチ的な嗜好を持っているところも特徴です。
おしむらくは、基本的に彼らは日本人と違ってぶきっちょだというところなのですが、このブログの名前にもあるように裏表を反転させて素晴らしい工具を生み出して堅実な製品を作ります。
素晴らしいと思います。

ZENSHOJI.inc #- | URL | 2009/08/05 18:25 * edit *

ドイツ・イタリア・フランスからそれぞれヴィンテージバイクを買ったことがありますが、ドイツが一番丁寧な梱包でした。ドイツ人はイタリアのフレームが大好きです。ドイツには鉄のフレームがありませんでしたからね。

サーベロは中国製ですし、アルファQも中国製、確かイーストンのカーボンも中国製です。デザインだけが本国で製造は中国というのは今やあまり問題にならないような気もします。すごく手間のかかる面倒な作業ですから、工賃が決定的なのかも知れませんね。

話は変わりますが、language of formはボディランゲージのように「かたちの持つ言葉」という程度に考えると理解できるような気がします。

くりた #- | URL | 2009/08/05 20:43 * edit *

>>くりたさん

私も何度かドイツから商品を買ったことがあるのですが、それをやったら法律にふれるのではないか・・・?というくらい親切にしてくれたことがありましたw
ドイツに鉄のフレームがなかったわけではないんでしょうけどね・・・私もバウアーくらいしか思い浮かばないほど、英・仏・伊から比べると貧しい状況ではありましたが。

生産地が台湾=粗悪品ではありませんね。
限られた例を除いてカーボン製品を大量生産するのに最も適した技術を持っているのは今現在台湾です。
それくらい台湾の技術力は上がってきています。
・・・でもくりたさんもご存じのドイツ人ががんばって作っているとしたら、そっちの方を買いたくなりませんか?w
それが付加価値、valueってやつだと思います(*´ω`)

ZENSHOJI.inc #- | URL | 2009/08/05 21:39 * edit *

コメントの投稿
Secret