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実用や本質と立場や正義がせめぎ合うブログ

コインは表と裏がくっついてコイン。 表の後ろを裏と呼び、裏の前を表と呼ぶ。 要するにコイン。

デュラエースペダルの分解洗浄 

001_20090626225448.jpg色々とお世話になっているキノさんが、SPD-SL デュラエースのペダルをメンテナンスする とブログで記事にしていましたので、たいして乗ったわけでもありませんが、自分のデュラペダルを分解・グリスアップしてみました。



Maintenance of PD-7810 Dura-Ace pedals.

【必要工具】



使用する工具は、おおむねサムネイル画像に写っている物で全てです。 ただし、少なくとも以下の物がなければデュラペダルのメンテナンスは不可能だと思います。



① 17 mm と 20 mm の薄口スパナ
② スナップリングプライヤー
③ ピンセット
④ 万力



17 mm は Park Tool の SCW-17 で、20 mm はシマノ純正工具の TL-PD77 を使います。 17 mm と同じ、Park Tool のショップコーンレンチに 20 mm の物がありますが、デュラペダルのメンテナンスには全く使えない のでやめた方がよいでしょう。






【作業解説】


〈 分解 〉



002_20090626225450.jpg



まずは 17 mm のレンチを使ってペダル軸を緩めます。 JIS 規格は左右でネジの進む方向が違う ので注意が必要です。 JIS の場合、右は正ネジ 、左は逆ネジ です。 手っ取り早いのは、自分がペダルを漕ぐのと逆方向にネジを回せば取れるという覚え方です。



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緩んだら、軸をゆっくり引き抜きます。



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スナップリングプライヤーを使って、ボールベアリングが流れ出ないようにしている環(C リング)を外します。 私が使っているのは Knipex 製 49 11 A1 。 一番小さいサイズです。



格闘すれば、スナップリングプライヤーがなくても外すことは可能ですが、その結果、リングが曲がって使い物にならなくなることもあります。 このリングは球が流れ出ないようにしているだけの物なので、性能には何ら寄与することもないですし、きちんと組み立てできるなら、取り去ってしまっても支障はありません。



005_20090626225500.jpg



外れました。



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玉押し、ロックリング、防水ゴムが取れます。 画像には写っていませんが、小さな樹脂製のリングもこの時取れます。 この箇所のボールベアリングは 17 個 入っています。



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軸が外れた本体最奥には、まだベアリングが残っています。 ニードルベアリング 8 本と、ボールベアリング 9 個です。



008_20090626225716.jpg



ニードルベアリングを取り出します。 使っている道具はホーザンのスプリングフッカーです(引っかけて取り出せる物なら何でも構いません)。 ニードルベアリングは、樹脂製のケース部分と棒状のベアリング部分に分かれるので、洗浄する際は 2 つを別々に取り外して洗います(指の力で軽く外れます)。



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残っているのはボールベアリング×9個
振って取り出す?そんなことしたら一瞬でなくなりますよw これは1粒1粒ピンセットでつまむしか方法はありません。大人になった今再びに挑戦する小豆移しと言ったところでしょうか。
コツさえつかめばどうってことありませんが、最初は殺意が沸きます。



ここまでが分解です。取り出したベアリングはもちろんのこと、本体の内部やスピンドルを含めて全てのパーツを洗浄する作業がここで入っています。特に特殊なこともしていないので画像は一切ありませんが、ディグリーザーを使うにしろ軽油を使うにしろ、洗い終わったらそれを完全に飛ばさないと新しいグリスまで分解してしまいます
今回私はディグリーザーを使いましたが、傾けて日の当たる場所(と言っても、せっかくきれいにした部品が砂まみれになるような場所は厳禁)に長時間放置した後、揮発性の高い油を吹いてドライヤーで乾燥させています。それくらいしないとこれだけ狭く奥まった構造は水分が残りやすいということです。

以下グリスアップと組み立てに入ります。



013_20090626225722.jpg
まずは玉押しとロックリングを先に組んでおきます。
私は嫌気性の固着剤・ロックタイト222を垂らしてあるので、グリスは使いません。

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防水ゴムを付けた上で、1つ前の写真で準備した玉押しをかぶせます。
そしてスピンドルにうっすらとグリスを塗布します。使ったグリスは毎度おなじみ、Microlon Assembly Lubricant(マイクロロン・アッセンブリー・ルブリカント)。もうこのペダルは何度も分解しているので、既にマイクロロン処理はしてありますから今回はグリスアップするだけです。

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組み上げたスピンドルの玉押し・玉受けの中に、17個のベアリングを戻していきます。
私はこの時点では玉受け・玉押し・ベアリングの全てにグリスを塗布していません。むやみにグリスを塗ったりするとホコリを呼んで、せっかく洗浄した意味がありません。グリスは後から塗ってやって、適当にクリクリっと回転させてやれば勝手になじむので問題ありません。
ピンセットでつかんでいるので、無用にグリスが付いていると滑ってベアリングをなくす原因にもなります。

016_20090626225925.jpg
上記の通り、グリスを塗っていない状態で全てのベアリングを投入しました。
そこにあくまで上からグリスを盛っただけの状態で、ベアリングを回転させると・・・

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きれいに混ざります。
この方法だとグリスを無駄にせず、本当に適量だけ刺すことができます。

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ベアリングが漏れ出ないようにスナップリングを留めて、

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今度は本体にベアリングを入れていくんですが、ベアリングが遊ばないようにグリスを少量先に塗っておきました。
使っている注射器は理科の実験でよく使ったアレその物です。東急ハンズで数百円で買うことができます。

020.jpg
9個ベアリングを入れ終わったところです。
例によって後からグリスを足します。

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これも注射器で刺しています。

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洗浄のため取り外したニードルベアリングを樹脂ケースに入れ直していきます。
ニードルベアリングは片側1セット8本組ですが、このようにピンセットで持ってきて・・・

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指で押さえてからピンセットを裏側に当てて押し込むと作業が早いです。
裏側に当て物をせずにただ指で押し込むと、向こう側に飛び出たりするのでストレスがたまります。
作業が完了したらグリスを薄く塗り、本体内部に挿入しておきます。


022_20090626230127.jpg
あとは今まで組み立ててきた各部品を1つにまとめてこうなります。
これは仮組み段階で、最後に万力を使って微調整をしないといけません。

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このように万力に固定した上で、玉当たり調整を行います。玉当たりはゴリゴリしてもいけないし、ガタがあってもいけません。デュラペダルは当たりが広い方だと思うので、シビアにならなければ易しい方だと思います。
私はまず17mmのスパナだけで締めたり緩めたりして最高の玉当たりを探り、ここだというポイントを探し当てたら20mmのスパナでロックナットを締め上げて固定します。

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17mmのスパナを持っている左手は一切動かないように気を遣いながら、20mmのスパナを持っている右手で12角形のロックナットを締め、探り当てた最高の玉当たりを保存します。
ロックナットをしっかり締めておかないと走行中に緩み、虫食いや事故の原因となりますから注意してください。それを防ぐためのロックタイトです。


025_20090627010057.jpg

完了です。無事メンテナンスを行うことができました。
毎度のことですが、写真点数が多くて疲れました・・・なんだかもう眠くてしょうがないので、ページリンク、総論などに関してはまた明日追記することにしますね。すいません。



ページリンクなど追加しておきました。
このSPD-SL PD-7810 デュラエースペダルですが、私はけっこう気に入って使っています。それは未だに玉当たり調整のできるペダルで目にとまる物というと、今ではもうこのペダルくらいしかないからです。
基本的にカップアンドコーン方式というのは部品点数が多くなるので、重量的には不利です。カタログ上では重量というのは最高の飛び道具なわけで、それに頼らないシマノには感心します。私は競技者ではありませんが、よく手入れをして最高の調整をした・できたという自負がより質の高いトレーニングをもたらしてくれると信じています。最高のトレーニングは最高の機材でこそ行えます。その最高の機材という物は、単に軽かったり値段が高いことで決まるのではなくて、自分がなぜそれを選んだのかという理由によって確立するものです。その意味でこのペダルは間違いなく私のストライクど真ん中だと言えます。

左膝に違和感があるため、今後は非常に細かい微調整ができるというスピードプレイのペダルを試したいと思っていますが、それでもこのペダルには魅力を感じています。
長く使い続けるだけの魅力と実力を兼ね備えていると思いますので、もしこのペダルを使っている人でまだ中を開けたことがない人がいれば、メンテナンスしてみてください。基本的にユーザーが分解するようにシマノは考えていないようなので、最初はもはやグリスの海状態です。グリスは、きちんとメンテナンスをして適量入れるものです。覚悟を決めてメンテナンスし、本当の実力を発揮させてあげましょう。
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2009/06/27 Sat. 01:03 | trackback: -- | comment: 4edit

コメント

いやいや

勉強になります
20mmのハブコンレンチが ここで役に立たないのは こんな理由だったんですね 納得です

そうか ペダル軸の先端 ペダル本体の奥に見えているのは ニードルベアリングだったんや
このニードルとの併用は デュラのB.B 7700と同じ構造やね

で 疑問
このニードルベアリングの奥にまだ スチールボールが入っていますよね それも 3/32と言う極小サイズ
この鋼球は 何で受けられているのですか?
要は 玉押しはペダル軸だと想像出来ますが 玉受けは何処に存在するのでしょうか

Kino #YVWDSDMY | URL | 2009/06/27 20:13 * edit *

>>キノさん

>玉受けは何処に存在するのでしょうか
玉受けは、ペダル本体その物が玉受けになっています。
ペダル本体の最奥にボールレースがあるので、そこに入れておくだけで、「ペダル軸が玉押し」というのは合ってると思うんですが、「玉押し」と呼べるほど押しているのかどうか・・・。

ZENSHOJI.inc #- | URL | 2009/06/28 10:42 * edit *

大変参考になりました

自分もペダル(PD-7800)をメンテするところだったのでこのページはとても参考になりました。

パークツールのコーンレンチは、精度が良くないと言っていいんですかね。自分も17mmを買って使いましたが、ナットとの隙間が大きすぎな感じがします。
ちなみに自分は17mmのレンチだけでやってしまいました(20mmのナットを手で調整して17mmのナットのみレンチで締め付けた)。

しかし、このペダルは中途半端な意思or器用さの人が分解してはいけませんね... こんな砂粒のようなベアリングは自分には無理(笑) 実質的に軸を抜いてグリスを追加するだけしかしません(できません)でした。

ヤナギ #t50BOgd. | URL | 2009/09/14 09:45 * edit *

とても参考になりました。有り難うございました。

一番奥にあるベアリングを扱うのにピンセットと注射器を使う部分ですが、以下の方法でもっと簡単にできました。

ニードルベアリングを取り出した後に見えるベアリングは、パーツクリーナ(浸食を気にする場合はラスペネなどでも可)等を「ゆっくり」吹き込みグリスを溶かします。爪楊枝(焼き鳥串でも可)で内部を軽くかき回しきれいなウエスに溶液ごと丁寧に流し込みベアリングを計数します。

洗浄したベアリングを戻す際は、少量のグリスでこねたベアリング全部を団子状のままペダルの穴の奥にまとめて戻し、LEDライトで内部を確認しながら爪楊枝(同)で円形に整えます。白いスペーサ状の物と二ドルベアリングの筒はペダル軸側にあらかじめ差し込んでから、ペダル側の穴にゆっくり丁寧に戻すと奥のベアリングの円形が崩れにくいです。

ひぐやす #wZeLSEnQ | URL | 2011/02/12 13:20 * edit *

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