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実用や本質と立場や正義がせめぎ合うブログ

コインは表と裏がくっついてコイン。 表の後ろを裏と呼び、裏の前を表と呼ぶ。 要するにコイン。

オリジナル研磨治具を作ろう その1 

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かねてより思案していた“理想の研磨機”を実現するべく、既に1ヶ月ほど前に部品の発注をしました。 非常に快く対応していただき、それが本日届きましたので、まず第1回目として全体のコンセプトと各部品の紹介を行います。

1st step, design and order.



【“理想の研磨機”とは何か】
昨年大きな話題となった、Sparxという研磨機があります。 これは、1000ドルしない価格でありながら、パソコンくらいの大きさの筐体にスケート靴を立てかけるだけで、全自動で研磨をしてくれて粉塵もしっかり回収するという優れものです。 全自動でエッジの芯を計測し、全自動で元と全く同じ形に研磨をしてくれます。 これは、少なからぬ人にとって「理想的な研磨機だ!」と歓待されました。
しかし、私はSparxを購入しようとは思いませんでしたし、おそらく今後も購入はしないと思います。 理由は複数ありますが、この記事に関係のあることだけを述べると、Sparxでも未だ実現できていない機能があったからです。

‹Sparxが多くの人にとって“理想”に近いワケ›
なぜSparxは画期的なのか。 それは、既存の研磨機と比較対象的に論じれば自ずと答えが出ます。
Sparxの優れた点は、①家庭用研磨機として設計され、実際に家庭内に設置できそうな小ささにまとまっている ②全自動で簡単・手間いらず ③元の刃形を変えずに研磨ができる ④集塵機能が内蔵されていて部屋を汚さない ⑤価格も安い ところです。 逆に懸念されることと言えば、電化製品ともいえるシステムの都合上、どうしても故障は早くなるところです。

ここでハッキリと書いておかなければならないことは、Sparxの史上最も優れた改良点は、ラナーのプロファイルを変更せずに研磨作業ができるところにあります。 これによって、Sparxは多くの人にとってかなり理想的な研磨機であると言えます。 逆に、それはこれまでの既存の研磨機にはなかった機能で、長らく大きな課題だったのです。

‹研磨とは「再刃付け」のこと›
私は、「スケート靴の研磨」という言い表し方はあまりふさわしくないと最近思うようになりました(かと言って、他に言いやすい言葉はなかなか見つからないんですけども)。 皆さんは「研磨」と聞いてどのように想像しますか? 少なくとも私は、研磨という言葉からは「磨く(polish)」ことを強く連想します。
しかし、実際に研磨作業で行いたいことを的確に言うならば、「再刃付け」なのです。 アイスタイムを経て鈍磨してしまったエッジを、もう一度きれいな刃に削りなおす作業こそが主たる目的です。 その上で、磨くならば磨くということになります。

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(そのような認識の上であらためて)研磨というのは、この形を復活させることを指します。 スケート靴を正面からとらえた時の鋭利な形。 これが我々の言う「」です。

それに対して、ラナーを横からとらえて見えるこの形プロファイルと云います。
研磨で修正したいのは正面の形。 しかし、フリーハンドでグラインダーに押し上げて削っていると、どうしても横の形も変わってしまう。 どれほど神経を尖らせて作業に臨んでも、それを防ぐことができない。 これが既存の研磨機の最大の課題だったのです。


【私にとって理想の研磨機】
プロファイルを崩すことなく研磨できることだけが私の理想の必要条件ならば、Sparxでよいということになります。
Sparxはラナーのプロファイルを保ったまま研磨はできますが、プロファイルそのものを保存したり、複製する能力はないのです。 これが私がSparxでは満足と言えない理由の1つです。
つまり、あらかじめコントゥアーが済んでいるラナーをSparxで研磨すれば、そのプロファイルは保たれて再研磨ができます。 しかし、例えば寿命や破損で新しいラナーへ交換する際には、Sparxを使っても元のプロファイルは再現できません。 このように、Sparxの「保つ能力」は、私が期待し得る状況に対して限定的な範囲に留まっているのです。

‹私が研磨機に期待する能力›
①プロファイルバーを用いて研磨ができる
②プロファイルバー自体を削ることもできる

これら2つの能力があることで、次に以下の能力も獲得します。

③異なるラナーに同一のプロファイルを複製できる
④既に存在するラナーからプロファイルバーを作成できる



【研磨機を作ろう】
コンセプトの紹介が済みましたので、実際の製作についてお話しします。

‹設計›
ずいぶん長く研磨機について書きましたが、「どのような設計をするか?」というのは、ここまで述べてきたような内容がしっかり定まっていないと進むものではありません。 ブログに書くからこう、というのではなく、自分一人だったとしてもこうしたプロセスは重要です。

当初、大学時代の同輩が手伝ってくれていました。 彼は大学院へ進学し、博士課程も修めたので、今春まで未だに学生をやっておりました。 その彼もめでたく卒業→就職ということになり、その間隙の余暇を使って私を手伝ってくれていました。
ところが、彼の仕事が始まるまでにこの計画が円成することはありませんでしたw まぁ、今になってこんな記事を書いているくらいですから、到底ムリな話でした。 私に構っている時間などあるはずもなく、以後、私は自分で全部やることを決意します。
彼がやってくれていたこと・・・つまり、私にできないことというのは、「どんな形にするか」よりも、考えたアイディアを3D-CADに描きだいして図面化するところにありました。 特に、寸法公差と呼ばれるものについては彼にお任せでした。 ですから、決心した後に私がまず着手したのは、3D-CADを習得することでした。

3D-CADは、実はこれよりも前に触ってみたことがありました。 確か、3Dプリンターが売れ始めた頃です。 中途半端な興味で、かつ、使っていた無料のCADソフト・・・いわゆる「フリーCAD」というやつが全く馴染めないデザインで、すぐにやめてしまったのを覚えています。 おもしろいとは思えませんでした。
今回は、まず必要とされる目的があったことと、ダウンロードしたフリーCADも感覚的にわかりやすいものに巡りあうことができて、まるでゲームをしているくらいの楽しさで操作を理解できました。


adsasdf.jpgこれがCADで設計したモデルになります。 OnshapeというフリーCADを使わせてもらいました。
私も当初よくわからなかったのですが、少なくとも、3D-CADというのはあくまで自分の設計を相手に明示するのにたいへん便利というだけのものですから、実際には従来通り2次元の図面が必要なのです。 そして、3D-CADには、作成した3Dモデルから平面図を起こす機能が付属しています。
2次元の図面では複雑な立体構造を示すこと・理解することは非常に難しい。 それをカバーしてくれるのが3D-CADということなのです。 ですから、3D-CADがなくても、平面図だけで注文することは全然可能です。 ただし、私のような素人が平面図だけでこのような造形物を完璧に指示することは、それこそ3D-CADを使えるようになることよりずっと難しいのではないか、と思います。

また、設計の根幹として、既存の研磨機を可能な限り流用する・互換性を持たせることを心がけました。 研磨機全体、その全てを自分で作るとなれば、非常に大掛かりでお金も時間もかかります。 また、互換性がなければ様々な消耗品を使うこともできません。 回転砥石など、少なくともそれなりの規模のメーカーがスケート靴の研磨用として製造・販売している物を使わない手はありません。
ですので、基本的に現在使われている研磨機で使えることを前提にしています。
ゆくゆくは研磨機本体もふさわしい形状の物を作りたいと思っているのですが、それにしても、現在と同じ定盤上スライド型を踏襲していきたいと考えています。


‹発注›
3D-CADで設計した研磨治具を、.IGESとか、.STEPなどの指定されたファイル形式で部品ごとに保存しておき、さらに平面図も書き起こします。 なるべく通例通りに図面を起こしますけれど、やはりプロと同じにはできませんので、善処したあとは先方にお任せします。 そのためのCADですし。
今回ほとんどの部品を製作していただいたのは、車で20分ほどのところ 落合にあるミクロ工業です。 非常に快く引き受けていただき、納期もバッチリ。 最高の取引をしてもらいました。

他にも市販のネジとかバネとかありますから、それは別途購入しておきます。 だいたいモノタロウとかで手に入ります。


【部品紹介】
‹特注部品›
部品名は注文の便宜上のテキトー名付けですので特段の意味はありません。

bottom_plate①bottom_plate


base_platebase_plate


GETA_block③GETA_block


cover④cover


side_wall⑤side_wall


balcony⑥balcony


mount_block⑦mount_block


lower_jaw⑧lower_jaw


pillar⑨pillar


upper_jaw⑩upper_jaw


dial⑪dial


‹市販品›
微動ステージ 中央精機 LS-5047-C1
ネジ
 極低頭六角ボルト M5、6 各種長さ
 先付き六角ボルト M10-25mm 鍋屋バイテック 
SCBS-M10-25-FB
 六角ボルト M3、5、10 各長さ
 六角皿ボルト M3、5-8mm
 六角ナット M5
 ワッシャ
バネ
 強力バネ 東京発場製作所 TU21×25
ノブ
 T形サムノブ M10用 Sher-Loc SLK-13
 グリルノブ イマオーコーポレーション GK30-10N
マグネット目盛り Wissota Magnetic Label Replacement
摺動用パッド




Wissota's weight
   current total weight
左:Wissota 右:ボルト類を除いた暫定重量

現時点での重量を計測してみました。 実はかなり重くなってしまっているのでは、と思ったのですが、ボルトやナットが含まれていないとはいえステージなど諸々追加された状態でWissotaを200gも下回っているなら、かなり頑張っている方だと思いました。 やはりアルミは軽いです。 将来的にはbase_plateやbalconyもアルミにしてよいかもしれません。
実際の作業では、これにプロファイルバーがセットされるわけですから、さらに重くなります。 プロファイルバーの材質はどうしたものかと思案していますが、アルミか、いっそのこと安価で加工もしやすい木材でもいいかもしれません。

実は私がぼーっとしていたせいでネジの手配が遅れ、来週半ばも過ぎないと、組み立てに必要な物が全て揃いません^q^ それまではお預けですね。 仮にスケートホルダー自体が完成したとしても、次は、プロファイルバーと全く同じ位相にラナーを固定するための治具や、ダミーホイールとその移動固定装置など作らなければいけませんので、すぐに使えるわけではありません。
今後も順次紹介していきます。

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2016/06/19 Sun. 10:28 | trackback: -- | comment: 0edit

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