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実用や本質と立場や正義がせめぎ合うブログ

コインは表と裏がくっついてコイン。 表の後ろを裏と呼び、裏の前を表と呼ぶ。 要するにコイン。

靴紐の結び方と足回りの処理 

VH hockey boots割と永遠のテーマ。

Correct stability would be created by not only laces.




スケート靴の靴紐は、あえて人から教えられるという機会がなかなかありません。 それをひと通り全部書いてみることにしました。 もう何回言ったかわかりませんが、こういう記事を参考にして自分の方法を考えるきっかけにしてください。 鵜呑みにして信じこんでほしくて書いているわけではないです。


【靴紐の通し方】
代表的な5つをまずは紹介します。

  • 内入れ→外出し
    DSC02969.jpg 紐を内側から外へ通す方法

  • 外入れ→内出し
    DSC02970.jpg 紐を外から内側へ通す方法

  • ループ
    DSC02967.jpg  靴紐を足首にまわしてから結ぶ方法

  • 1つ空け/2つ空け(/3つ空け)
    DSC02964.jpg アイレットを使い切らず、余らせて結びにはいる方法

  • 1つ飛ばし(/2つ)
    DSC02963.jpg アイレットを飛ばして紐を通す方法

特殊なものを除けば、この5つの組み合わせが結び方の種類の90%以上を占めるのではないでしょうか。 それはだいたいこの5種類の組み合わせを駆使すれば、ほとんどの不満には対応できるという事でもあります。 それでも満足できなかったり問題がある人が、さらに工夫を必要とします。

「内入れ→外出し」と「外入れ→内出し」の組み合わせは、靴の各所で自由に入れ替えることができます。 少なくとも 1. 最初のアイレットをどちらから通すか 2. 中間のアイレット(ry 3. 最後のアイレットを(ry という3点は別々に選んでいる人が多いです。 さらに外側と内側、どちらの紐を上に重ねるかという組み合わせも併せて考慮します。
機能面でそこまで違いが出るわけではありません。 特に違いが感じられるとしたら、足首に近い部分 特に最後のアイレットでしょう。 靴紐が脚に強く押し付けられるからです。 それ以外の部分ではあまりフィーリングの変化は期待できませんが、決して全く同じというわけではないので一度は試してみることを勧めます。


【靴紐の種類】
既述の結び方も、靴紐の種類によって感じ方は変わります。
余談ですが、靴紐についている点線模様はただのファッションではなく補強の為だそうです。

  • ワックス/アンワックス
    ワックスの塗ってある紐は硬くて伸びないので強く縛ることができます。
    ワックスが塗られていない普通の平紐は、ソフトでしっとりとした感覚が特徴で、かなり伸び縮みします

  • 非売品
    靴紐の中には市販されていない物もあります。 以前店で買い物をしていると、「Bauerの靴に付いている紐はありませんか」と訪ねてきた人がいました。 自分が気に入った物はふいに見つかるものです。 しかしそれがたまたま非売品だったりすると、替えが利かず苦労します。 ですので私は交換品がきちんと手配できる、靴紐として売られている靴紐を使うよう勧めます
    (靴の付属品としてついてきた靴紐も、調べてみると実は手に入る場合があります)

私は15年以上ワックス紐の愛用者でしたが、今の靴に買い替えてからはアンワックスに変えました。 靴が硬ければ硬いほど、ワックス紐を使う必要性は稀釈されていくでしょう。 VHの靴でワックス紐を使うと、あまりに硬すぎて違和感を感じました。
どのような靴紐が適しているかは、使用者の好みはもとより靴との相性に左右されます。 もちろん縛り方も関係します。
一昔前までは、ワックス紐を使っている人はけっこういたように思いますが、今はほとんどの人がアンワックスです。 理由は、ここ数年来ブーツ自体の剛性が飛躍的に向上したからでしょう。 革靴とさして変わらなかった昔の靴や、使用に伴ってヘタりが出始め剛性が失われた靴、あるいは新品であってもアイレットフィンが硬く立っている靴などに対して、ワックス紐は有効です。
 

【靴紐を緩ませない為には】
靴紐が緩んでしまうのは、摩擦が少ない事が最大の原因です。

  • エースバンデージ法
    free-ace-bandage-black-and-green.pngスケート靴を購入した際に行う熱成形で用いる手法の1つです。 アイレットフィンを足の甲(ベロ)に密着させるために、包帯でぐるぐる巻きにします。
    「エース」というのは会社名で、おそらく北米でこの手の伸縮・非粘着性テープをつくっている代名詞的有名企業が「ACE」社なのでしょう。 彼らがよく用いているこのような包帯のことです。 厚手でそれなりの強さがあるのがポイントです。 日本で全く同じ物というのは手に入らないようです。 類似品もなかなか見つかりませんね。

    この方法は、アイレットフィンを上から押さえつけるところに意味があります。 熱成形時には靴紐を強く締めますが、これはアイレットとアイレットをつないで引っ張る力・つまり横方向の力で、非常に硬いアイレットを完璧に押し付けるのに充分ではありません。

    「緩みにくさ」を生む摩擦力は、アイレットフィンが足の甲(ベロの表皮)と圧密しているほど高まります。 アイレットフィンが立ちっぱなしではただ紐が通過するばかりで、結ぶそばから戻る力に負けてしまいます。

    スピードスケートの靴ではありますが、Scottが公開している動画を参考までに紹介しておきます。 (※ホッケーで全く同じようにやると問題が出るので注意)



  • 結び目の留め位置
    結び目は真ん中で留めるのが普通ですが、アイレットフィンの上(角)で結ぶ事で効果があります。 雑誌や新聞を縛る時と同じで、角で縛った方が紐は緩まないからです。 これも圧力と摩擦が関係しています。

  • 靴紐は消耗品
    野球にフラッシュボールがあるように、ブレードテープだって靴紐だって、使っているうちに消耗して本来の摩擦力が失われていきます。 アンワックス紐に顕著です。 逆にワックス紐は最初から表面がなめらかなのでそれほど違いは出ません。 「なんか最近すぐゆるむなぁ」と思ったら靴紐を交換して、どうぞ。

バンテージ法について補足すると、Scottがやっているのはブーツカットになっていないスピードスケートの靴だから足首までぐるぐる巻きにしても許されるのであって、ホッケーブーツでやったら足首の全く曲がらない / 曲げると痛いフィッティングになります。 あと、彼は滑走時に自分が必要な角度まで足首を前傾させた状態で巻いていますが、これもホッケーブーツの熱成形では忌避されるやり方です。 市販のホッケーブーツでバンデージ法を活用する場合は、むしろ足の甲を重点的に巻くべきだろうと考えます。


【靴に求められる3つの固定】
大原則の三要素があります。 前後にはしっかり固定。 しかし足首には角度を。 でも左右にはホールド感を。
こういう相反する要素に折り合いをつけないといけないから、靴紐は難しいという話になるのです。 靴紐だけではなく、レガースとかテープとか様々な物を使って工夫します。

無題その1つの解として、左のような改造を施す人もいます。 Grafの靴には同様のデザインを採用したモデルがありましたよね。 改造用小物を販売している業者もいます。

昔は靴がもっとフニャフニャだったので、今よりたくさん工夫していました。 そうしないと満足できない機材レベルだったということです。 しかし最近の靴は剛性等が飛躍的に向上した結果
、普通に靴紐を縛るだけで充分なホールドが得らる傾向にあります。 それが普通になってしまっているのであまりおおっぴらに工夫するのは抵抗感があるかもしれませんが、周りの目を気にする必要はありません。 テープでも靴下でも接着剤でも、何でも使って工夫するのが良いと思います。
その例は後段の【選手の実例】で少し紹介してあります。


【レガースの処理】

多分どっちがどうとは誰にも言い切れないであろうスタイルの違い。

  • タックイン
    靴のベロをレガードの内側に入れるスタイル。 現在主流?

  • フロップ
    ベロを丸めて前方へ投げ出すスタイル。
    タックインに比べてシュートへの防御性が低いとされているが、実際にはそんなに変わるものでもない気がする。

私はずっとタックインスタイルで、一度もフロップにしたことがありません。 何度か試したことはありますが気持ち悪すぎてすぐやめましたw フロップでやっている人もタックインは無理と言います。
双方のメリット・デメリットを挙げるより、イッパツ滑ってみるだけで強烈にどちらかを選ばせる感覚的な違いが両者にはあると思います。 これはもう「好みだ」の一声でくくってしまって充分ではないでしょうかw
ちなみに会社によっては「フロップ用」と称して柔らかくて異常に長いベロが選択可能だったりする場合があります。

あえて項目としては挙げませんが、レガース自体の固定方法も重要な問題です。 代表的なものには、ビニールテープ、マジックテープ、紐などがあります。 ビニテにも硬いのと柔らかいの、幅広の物と細い物がありますね。
まず第一に走っている最中にレガースが暴れない固定が必要です。 あとは足への圧迫も問題になります。 ビニテで巻きすぎると血流が妨げられて疲労を感じる場合があります。 私はスペアの靴紐で縛るのが一番調子が良いです。
またストッキングとのかねあいもあります。 これまでも布製とニット製のストッキングがありましたが、プロを中心に前者がリバイバルしてきています。 理由は、軽さ、ユニフォームと同素材であること、色付け・デザインのしやすさなど様々ありますが、問題は滑りやすいことです。 ニットのストッキングと同じように上からテープを巻いても滑るばかりです。



【選手の実例】
ここまで説明してきましたが、紐の種類、紐の結び方、靴の特徴、レガースの処理方法、そして選手自身の好み これら全てを一緒に考えてどういう工夫・どの組み合わせが良いのか決めなければいけません。

そこでいくつか実際に紹介してみます。

Sidney Crosby
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“1つ飛ばし”をやっている珍しい選手の一人。 締め方は、外入れ内抜き始め→内入れ外出し締め→外入れ内抜き結び の流れだと思いますがやはり最後はよく見えません。 レガードは硬質っぽい半透明のビニテで膝下だけ1箇所留めています。 
ちなみに現在は全てのアイレットに紐を通すやり方でプレーしている模様。


Alex Ovechkin
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フロップの代表的選手。 内入れ外出しで始めてそのまま一番上まで締め上げるスタイル。 アイレットの余らせは無し。 最後のアイレットだけ内入れ外抜きにしているかな?
この写真だとよくわかりますが、結び目に伸びている紐が若干下に向いていますよね。 足首が前に倒れる道がきちんとできていて、そのすき間をレガースが埋めているからこういう状態になるのでしょう。
実はフロップにしている人に聞くと、「むしろ足首が前傾する角度はタックインの方が大きい気がする」と言う場合があります。 一口にフロップと言っても、ベロが完全に下を向くまで折っている人もあれば、Ovechkinのように単純に出しているだけの場合もあります。 確かにこの程度ではレガースの厚さが邪魔をして前に倒れないような気もしますね。


Mario Lemieux
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Lemieuxは80年代半ば~90年代後半までプレーし、一度引退します。 そして2000年に現役復帰を果たし、2006年までプレーしました。 彼は長らくCCM Tacksを愛し、フロップスタイルでプレーしていましたが、時折タックインにしている画像もあります。
靴紐は内入れ外出しでアイレット全てを使い、レガードとアキレス腱ガードをテープで留めています。 これは90年代頃までの選手が多く使った方法で、こうすることで前傾する余地を確保したまま左右の保持力を高めます。

そして2000年代になってから、彼はMLXという自分の名前を冠したスケート靴に携わります。 私が使っているVHと非常に縁がある靴です。 この靴には「従来の靴よりもアグレッシブな足首の角度をつけよう」というコンセプトがありました。 

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でも結局フロップはやめませんでした。 (もはやちょこんと乗ってるだけですけど。) しかし、レガースとアキレス腱ガードのテーピングはやめています。 つまりこのようなコンポジット素材のブーツになって以降、テーピングせずとも充分なホールド感が得られると彼は感じたのではないでしょうか。
その上でフロップスタイルを続けたところを見ると、やはりフロップかタックインかというのは、まず最初に「つけ心地」という好みありきのような気がします。


Alexei Kovalev
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Kovalevもとっくに偉大な選手の一人なのに、ついこないだまでやってましたもんね・・・。
彼の場合は上1つあけてフロップスタイル+アキレス腱ガード固定。 ある意味これがフロップの王道的スタイルだったと思うのです。 そのねらいも、ここまで順を追って見てくるとよくわかりますよね。


他にもSelanneはループを使っているし

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しかもこれ、よく見えないけど位置的には2つあけのループ。
彼もまた、タックスタイルなのはノンプロ時代から変わらないけれど、ずっとループでやっていたわけでもない。 やはり道具と自分の変化に合わせて調整しているんですね。

Jagrはもうよくわかんないし(変なバンドが付いてる)

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多種多様 別にどんな方法を使ってもルールブックに触れない限りいいんです。



【私の縛り方】

“今”私がやっている縛り方です。 明日には変わってるかもしれません。 工夫ってそういうもんです。

how to lace up

まず始まりからずっと外入れ→内出しの組み合わせ。 見た目的にもこれが好きだし、内入れ→外出しは引っ張る方向が未だに感覚的に身についていなくて使えません。
脱ぐ時もこのように最初のアイレット3つのところまで靴紐を解きますが、この部分までは力を入れて締めます。


how to lace up

その後大部分は、ほとんど「締める」ということをしません。 これはVHの靴だから、です。 この靴は、基本的に靴紐がなくても靴の形は紐でしばった時のままなんですよ。 靴紐は、靴が開かないようにストッパーになっているだけ。
あ、ちなみに平紐がよれてるとか論外です。 多くの面に接しているからこそ摩擦を発生する平紐をねじったまま放置なんてありえません。


how to lace up

最後だけ内側から外側へ抜きます。


how to lace up

結び目を作る時は、一度立ち上がって前かがみになり、自分がターンやクロスオーバーをする際に「ここまで傾ける」という角度に足首を曲げ、そのまま縛ります。



how to lace up   how to lace up

結び目はアイレットフィンの上に作ります。 外側と内側、どちらのフィンの上でも構いませんが、そうするためには最後のアイレットは必ず内側から外側へ通す必要があります。 当然結び目を作る時だけでなく、プレーしている時にも緩みにくくなります。 もうすぐこの靴を使い始めて1年になりますが、VHの靴とこの方法を合わせれば、未だに1時間半経っても靴紐は全く緩みません。

how to lace up



【テキトーにまとめ】
  •  固定三要素を忘れず自分流で煮詰めろ
  •  結び方に貴賎なし ルール違反しなけりゃ何してもいい
  •  ヘタってきたりアイレットが硬い靴は縛った状態で保管すると吉
  •  靴紐は消耗品 摩擦力がなくなったら交換
  •  正しい摩擦力は熱成形から

以上、もうめんどくさいのでオワリ

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2015/03/09 Mon. 21:14 | trackback: -- | comment: 0edit

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