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実用や本質と立場や正義がせめぎ合うブログ

コインは表と裏がくっついてコイン。 表の後ろを裏と呼び、裏の前を表と呼ぶ。 要するにコイン。

無駄に敵を作っていくスタイル 

話の風呂敷が大きくなりすぎるので、ネタを小分けにしてそれぞれ記事にします。 今回はフラットボトムを主とした研磨方法のアレコレについて。

Separately sharpening would create better choices.


まず最初に3つの略語を紹介します。 これは今後常用しますのでぜひ覚えておいてください。

  • ROH
    「Radius of Hollow」の略。 日本語にすれば「溝研磨」くらいの意。 各店舗で平常用いられている最も一般的な研磨方法で、“ROH以外の研磨方法”が浸透する以前は研磨と言えば自動的にコレであり、わざわざ呼称を用意する必要もなかった。

    研磨をする前に、回転砥石を凸面状に整形して準備を行う。 この時の円弧(radius)が大きいほど平研ぎに近くなり、小さいほど深溝となる。 多くはヤード法で表現され、1-3/4インチ~5/16インチ程度まで、20段階前後の削り分けが選べる。

  • FBV
    「Flat Bottom V」の略。 Blackstone社が提供するフラットボトム形研磨手法の略称。

  • BFD
    「Blademaster Form Dressing」の略。 Blademaster社が提供するフラットボトム形研磨手法の略称。 敵が多い


日本ではまだまだ一般的でないフラットボトム研磨ですが、ここ数年私自身使ってみて、もうROHには戻れないなと思っています。
フラットボトムというのは、ROHでは単なる溝になってしまっている部分を平らに残して研磨する方法です。 そのように削ることによって、様々なメリットが得られます。
既に上にご紹介したところですが、今現在「フラットボトム」と呼ばれるものには、BlackstoneBlademasterが提供する2種類があります。 混同されがちですが、2つは異なるサービスです。

まずフラットボトムの事を説明するには、FBVのシステムを解説するのがよいでしょう。 BFDについてはその後で文章を添えることとします。

FBVは、Blackstoneの研磨機ならほぼ全ての機種で利用できる研磨方法です。 それらの研磨機本体は、まず基本としてROHを使う機能も備えていて、その上でFBVも使えるよう設計されています。

FBVの特徴は、スケート(研磨)に求められる2つの性能を復数の要素から調整できることです。 2つの性能とは、「bite」と「glide」。 本来ROHでは反比例の関係にあるとされていたものです。 これを別々に選ぶ事ができるのが、FBVの最も優れた機能と言えます。 「bite」とはすなわち、どれだけ氷に食いつくか。 ストップ、ターンはもちろん、直線的に走る際もにエッジが氷をしっかりとらえなければスピードは出ません。 一方「glide」は滑りの持続性。 一度加速した状態で足を止めてどれくらい維持できるかを指す事が多いように思います。
ROHではbiteを得る為には深溝にするしかありませんでした。 すると溝が深くなり、glideが失われます。 また、実はbiteというのは2つの要素によって成り立っています。 それは刃の角度と刃の深さです。 鋭い刃をつければ氷によく刺さりますし、溝が深くなればその分食い込みます。 FBVではこの2つを別々に選ぶ事ができます。 例えば深さをそのまま刃の角度だけ鋭く研ぐことができるのです。

Blackstoneのサイトで確認すると、たくさんのFBV用スピナーが紹介されています。 スピナーとは、回転する砥石を任意の形に削るための先端工具です。 研磨をする際は必ず回転砥石を整形する準備作業必要です。
研磨機の中にはモーターが入っていて、砥石はその先端に固定されています。 砥石と言っても、直径8インチ(約20cm)の丸くて薄い物です。 研磨機のスイッチを入れるとモーターが作動して砥石が回転を始めます。 しかし研磨をする前に必ず砥石を削ってふさわしい形に整えなければいけません。 この、いわば“砥石のための砥石”をドレッサーといいます。 FBVにしろBFDにしろ、フラットボトムという形にエッジを削るには、まずそのように砥石を削るドレッサーがなければいけません。

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FBVを行う為のドレッシング作業を終えた回転砥石

このようなドレッシング(回転砥石の整形)をするには、全く同じ形の先端部分を種類ごとに揃える必要があります。 これが先ほどのスピナーです。 溝の深さを20段階以上選択できるROHを基準にすれば、FBVで同様の事をしようとすればスピナーが同じ数だけ必要になるということです。 そして実際、FBVのスピナーは20種類以上提供されています。 これは通常種のみで、変わり種を含めれば30種類を超えます。

FBV用スピナーをウェブで確認すると分数のような数字が振ってありますが、これがFBVの種類別表記です。
例えば「100/50」という表記。 これは前の数字がボトム部分の幅の広さを示し、後ろの数字が刃の深さを表しています。 前の数字は実際の千倍、後ろの数字は1万倍で表記されていて単位はインチなので、この場合は「ボトムの幅が0.1インチ(2.54mm)で刃の高さは0.005インチ(0.127mm)」という意味です。 「ボトムの幅って言われても意味わかんねーぞ」と思うかもしれませんが、プレイヤー用のエッジの厚さがおよそ3mm程度(キーパーは4mm)と考えると比較ができますし、これは同時におよその刃の角度を示しているのです。 つまりこの数字が大きいほど刃の角度が鋭く、逆に数字が小さければ鈍角であるということです。
唯一特殊なのは「100/1」のように後ろの数字が「1」の物。 これだけ1万倍ではなく千倍・・・つまり素直に「0.01インチ(0.25mm)」と読めばいいということです。 つまり 1>75>50 の順で深いってこと。 ややこしい('A`)

少し整理すると、刃の深さによってスピナーはまず3種類に分類できます。 「xx/50」の物、「xx/75」の物、そして「xx/1」の物。 混同して考えるとわからなくなってくるので、まずは刃の深さを決めた後で、刃の角度を選ぶのがよいでしょう。
最も充実しているのは後ろの数字が「50」の物。 70→72→75→80→82→85→88→90→92→95→98→100 という順に、12種類の角度が用意されています。
他の2種類はこの半分以下しかありません。 「75」だと 80→85→90→92→95→100 の6種類。 「1」は 85→90→95→100 の4種類のみとなります。
本来はそれぞれの刃の角度そのものを会社が公表してくれればいいのですが、そこは伏せられています。 我々が単純に計算しただけでは同じ結果になりませんが、実際には深さ「50」、「75」、「1」のそれぞれのラインナップが少しずつかぶっているので、状況に応じて選択できます。 頭の数字から予測できる刃の角度は、あくまで同じ深さの中だけの比較で用いるのが賢明ですね。

無題Blackstoneの公式見解ではこのような目安表を案内しています。
海外で圧倒的に人気なのは100/50と95/75の2種ですが、彼らは私たち日本人と比べて体重が重いこと、パワーがあること、日本より氷の質が高く硬いことなど様々な相違点があります。 鵜呑みにはせず検討した方がよいでしょう。
そんな外人プレイヤーでも、高さ「1」のスピナーを選ぶ人はまずいませんね。

1・75・50という3種の“高さ”をまず選ぶのがよいと書きました。 biteを調整する際にベースとなるのは、まずこちらの数字であろうという意見からです。 biteの根幹は「どれだけ深くささるか」であり、そこに後から「刺さりやすさ」を加えることで、我々の“bite”という感覚ができている というのが、私が現時点で納得している内容です。 いくら刃が鋭くても、噛んで安定する余地がなければ意味がありません。
先ほどもふれた通り、これはあなたの体重や氷の環境などと常に一緒に考えなければいけないことです。 例えば夏、氷がゆるくなっているのに深いスピナーを選んでいたら沼を走っているようなものです。 そういう場合は「50」を選ぶとよいでしょう。 逆に素晴らしく上質で硬い氷に臨むなら、「50」では不充分で、「75」以上が必要かもしれません。 あるいはあなたの体重が軽ければ「50」でも充分でしょうし、100kgを超えるような体格なら「75」でも足りないかもしれない。 もっと深く刺さる「1」のスピナーが必要かもしれません。
そのような中でいくつかのスピナーを試してみて、状況に合わせて最適な研磨が選択できること それがこのFBV研磨の素晴らしいところなのです。


私は完全に専門外になりますが、ゴーリー用のFBV研磨にA-Trapというのもあります。 これは内側と外側のエッジをそれぞれ異なる角度で研ぐことができます。 当然1つの形状につき1つの専用スピナーが必要ですから、A-Trap用のスピナーだけで16種類販売されています。



ここまでFBVのことを解説してきましたが、ここでBFDのことについて書いておきます。
実は私が使っているのはBFDです。 私がお世話になっているお店にはBlademasterの研磨機が置いてあるからです。 逆に、Blackstoneの研磨機は置いてないので、FBVは受けられません。

FBVが20種類以上のスピナーを用意していたのに対して、BFDはたったの4種類しかありません。 biteが少ない方から順に、X8→X7→X6→X5 の4種類です。
私は元々X8を使っていましたが、これはもうほぼ理論上平研ぎと同一のbiteしかありません。 ROHの1-1/4"に相当します。 つい最近になってX7へ変更したのですが、あまりの違いに驚きました。 X8からX7への間には大きな差がありすぎるのです。

世の中には、BFDについて悪く語る人が多くいます。 曰く、「Blademasterは恥を知れ」と。
もちろん実際に両方使ってみて「FBVの方がずっとよかったよ」と言っている人がたくさんいるのは否定のしようもない事実でもありますが、所詮それは個人の主観による感想にすぎないので、それ以上の価値はありません。 もちろん、他人がどのように感じたのかというインプレッションを粗末にするものでもありませんけど。 いいですよね、そういうオススメ情報。 でもこうやって話をする時は、きちんと説明できる内容でなければ議論が広がりません。

でも、きちんと説明した上で「・・・だからBFDはクソ٩( 'ω' )و」と言える人はどこにもいないでしょう。
だって、BlademasterはBFDのスピナーの詳細を一切公表していないのですから。

公開されている情報は、X8~X5までの4つのスピナーがあること。 以上。 ボトムの幅、刃の高さ、刃の角度など一切非公開。
でもそれだけじゃこんなに敵はできません()
実は、彼らはFBVの事を批判する文章を何度も出しているんです。 それは当然、Blackstoneが公開したスペックに根ざしたものです。 やれ設計図と違うだの精度が悪いだのなんだの言って、ネチネチ難癖つけてるんですよねw 自分たちはスペック公開してすらないのに! で、気づけば大量のアンチが誕生したわけです(ω)

まぁ・・・そういうのをナシにしても、そもそもスピナーの数が少なすぎるんですよ。 こんなんじゃダメです。
もちろんスピナー自体は間違いなくフラットボトムですし、私はROHからBFDに変えた時はものすごく興奮しましたよ。 自分の望むエッジのかかりがあって、それでいてずぶずぶ沈まない。 特によかったのはターンする時。 もしかしたらROHとの一番の違いが出るのはターンを切っている時かもしれません。
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2015/01/04 Sun. 19:21 | trackback: -- | comment: 0edit

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