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実用や本質と立場や正義がせめぎ合うブログ

コインは表と裏がくっついてコイン。 表の後ろを裏と呼び、裏の前を表と呼ぶ。 要するにコイン。

カスタムスティック(2回目) 

round and squareスティック第2弾を注文しました

To achieve deep flex.


昨年注文した第1弾からおよそ1年経った、2014年7月1日・・・同じ銘柄で、カスタムオーダースティック・第2弾を発注しました。
スティック自体の仕様を変更したのはもちろんのこと、ブレードパターンも改良を加え、前回とは違う物に仕上げてあります。 漠然とやったのではなく、特にブレードのヨー角について綿密に自分の感覚と理論に合った整形をしました。



なにかを目指して
道具を新しくする理由は、自分が目指すべきものに向かって努力するためです。 不満だって、言い換えればそのひとつです。 そこでPhil Kesselという選手に注目しています。

Phil Kessel
トロント・メープルリーフス所属のPhil Kesselという選手がいます。 私にとっては本当に珍しい事ですが、自分のシューティングを向上させる為にこの選手が参考になると思って研究しています。 NHLにおいて最も速いクイックショットが打てる選手の一人です。

→柔らかいフレックス
Ovechkinなどもそうですが、Kesselも相対的に著しく柔らかいスティックを使っています。 彼の身長は183cm。 体重は90kgあります(出典:Wikipedia)。 また、スティックを切るポイントは、スケートを履いた状態でアゴ周辺です。 それでいて85flexを使っています。 これは、168cmしかない私が仮に同様の相対的位置でスティックを切ったとすれば、60flexに相当するほどの柔らかさということになります。

→大きなロッカード・ヒール
Kesselは異なる長さのスティックを何本も用意して試合に臨みます。 ウォーミングアップをしながら、その日の体調や感覚に合わせて適した物を選ぶためです。 しかしプロになる前はずっとアゴで切っていたそうです。
NHLに所属するオフェンスプレイヤーの多くはもっと短く切っています。 そうした現状からすれば、Kesselは長めのスティックを使う選手だと言う事ができます。

Kesselに限定せずとも、相対的に長いスティックを使っている選手のスティックを見てみると、面白いくらいロッカードヒールの者が多いです。 そしてKesselのパターンも、ヒールを大きく削り落としてあります。
プレーを観察する限り、Kesselは長いスティックを使いこなす為にスティックを低く寝かせてプレーするところがあります。 そのように、スティック本来のライ角をやや無視するかたちでプレーしたい場合は、ロッカードヒールは欠かせない要素になるのでしょう。
(後段に関係します)




前回のスティック

→気づいたこと

“不満”と言い換える事もできますが、前回注文から要改善と感じた事がいくつかあります。

①ヒール形状

長いスティックを使う上で効果のあるロッカードヒール。 私がベースにしているRoenickというパターンも、かなりのロッカーを持ったブレードでした。 しかし、実際に届いたスティックはその曲線が再現出来ていませんでした。
と言ってもこれは完全に予想の範囲内・・・。 EastonのS19やRS/RS2などのオーバルネックを持ったスティックは、通常のテーパードやスタンダードの2ピーススティックとはそもそも太さが違うからです。
つまり、テーパード規格のブレードを元に金型用のモデルを整形して提出した時点で、それと全く同じ物ができあがる事は絶対にあり得ない事です。

V9Eの本物を使って整形すれば解決できるでしょう。


②硬い
前回注文した際、他の人がカスタムオーダーした別のスティックを試用に1本買ってテストしました。 そのフレックスは80で、ちょうどいいと感じたので同じ硬さで注文したのでした。
ところが届いてみるとなんだか感覚が違う・・・。 すごく硬いと感じました。 これはブレードパターンの違いも一因を担っているとは思うのですが、とにかく実際に自分の手元に届いたスティックは私にとっては硬すぎる代物でした。


③ブレードの長さとスティックの長さ
“Roenickというブレードの先端を1cm削り落とす” これが前回の注文で私がやった整形です。 曲げたり開いたりはしていません。
スティックが届いた後で元の2ピーススティックと使い分ける機会があったのですが、なぜかシャフト部分の長短が逆であるにもかかわらず、V9Eの方が短いと感じる事に気づきました。 これは、ブレード部分の長さがスティック全体の長さとして強く印象づけられている傾向を示すものだと考察しています。

スティックの長さを決める時、私は常にヒールとヒールを合わせてシャフト部分の長さを基準にしてきました。 もちろんそれは正しい行為だと思います。 人間の感覚が騙されているだけであって、シャフトの長さは絶対的な基準の1つです。
一方で、長いブレードを使っているとシャフトを短くしても感覚的な達成感が得られない事があるのではないでしょうか。



さらなる考察
→深さ(depth)の適性について


①“思う”角度

私は特にそういった理論を使っているので顕著ではありますが、シュートを打つ際には必ずトップハンドが前へ出ます。 トップハンドは標的に向かってパンチアウトされ、この時ボトムハンドとの位置によってスティックに角度が与えられます。 この状態の打球面の角度(厳密にはリリース時)が、パックが飛ぶ方向を決めます。
実際には、私たちは自分が使っているスティック(ブレード)を理解して、その角度に合わせたシューティングを行っています。 もしそれを無視すれば、パックは思わぬ方向へ飛んで行ってしまいます。 つまり、ブレードの造形によって決まっている角度が許す範囲でしか、人はふりかぶる事はできないという事です。

20140714170610_001 (2)

これまでのスティックでは、私が感覚的に自然とつくる角度とブレードのそれとが一致していませんでした。 図中に見える薄い線がそれです。 それを太線のように打球面も90度となるよう、深さを増やして整形する事で、道具と感覚のズレが解消できると考えられます。


②しなり(ねじれ)とオープンブレード
前段で説明した内容は、どのようなショットにおいてもあてはまる内容ですが、こちらで考察するのは、特にしならせるシュートについて考えます。

私たちが考える「しなり」の中には、実はしなりとねじれの両方が存在します。 その両方は同時に起こり、1つ1つを個別に取り出すことはほぼ不可能です。 三次元的に物体が“しなり”、フレックスショットをささえています。
スティックがしなる時、オープンブレードが起こります。 これは、擦られたスティックがしなったりねじれたりする事によって、自然と打球面が着氷時よりも外側へ開く事を指します。
大きくしならせて打つシューティングの選手たちは、気持ち悪いほど曲がったブレードをカスタムオーダーしています。 これは、スティックが大きくしなる際に、それと比例した大きなオープンブレードが発生しても、自分が望む方向へ打球面が向くだけの角度が必要だからです。


③デメリット

こうした深い角度は、フォアハンドのショットのために考えられたものです。 バックハンドを打つためにはあまり好ましいとは思えません。


→ライの多様性

現在のEastonでは“Dual Lie”という理念を製品に投影しています。 これは、ヒール付近でレシーブをする為のライと、その後ブレードをかぶせてショットを打ちに行く際に使われるライが異なると考えられるから、ロッカー変化を与えながら擬似的に2種類のライが存在するかのように形作る試みです。 また、後者のライについては62度が最適ではないか?という風に、具体的な数字を決めて設計しています。

20140714170610_002 (2)

私は、Dual Lieの考え方には共感するものがあります。 例えばヒールでレシーブをしたパックを一切ハンドリングせずに先端でしならせて打ちに行った場合、スティックのライは決定的に違います。 その角度の差は一目瞭然です。
Dual Lieの設計においては一般的なシューティング理論に合致するであろうシミュレーションで角度を決めているようでした。 そしてもちろん私が使う為のスティックを注文するのですから、私のフレックスショットに合わせてトー・ロッカーの角度(いわばトー・ライ)を決めれば良いのです。



注文
→金型用ブレードの整形
前回は規格が異なるブレードを使わざるを得ませんでしたが、今回はV9Eその物を整形してサンプルとします。

2nd pattern

整形する際に心がけたのは以下の点。
  1. ロッカードヒール
  2. 最適な角度(深さ)
    自分がトップハンドを出した自然な角度そのままに
  3. やや開きを加える
  4. トーロッカーの角度を一定以上直線に
  5. 微妙なトー形状
    丸と四角が混ざったかのような
  6. 少しブレードを長く
    5mmくらい?

大前提としてピュア・ヒールカーブである事は崩しません。 その上で、自分の求める特徴が得られるように整形していきます。
まんなかへんにパテが盛ってあるのは、何か意図を持ってポジティブに作業したわけではなく、曲げてるうちに隆起してしまったのをリューターで削った後に補修しただけです。
ヒールカーブなので見た目は全体的に地味ですが、DrulyとかLidstromなんかよりセンチ単位で大きなオフセットになってますから、けっこうエグいです。


①上下ラインの設計
 図はややオーバーに書いてありますが、その方がわかりやすいでしょう。
最も重要なのが下のラインです。 これを4分割して説明します。

20140713141339_001 (3)aのセクションは、まだ曲がり始めていないフラットな区間です。 ヒールカーブではここでレシーブやハンドリングを行います。
bのセクションで変化が与えられます。 ヒールカーブはこの一点でしか曲がりません。 私はピュア・ヒールカーブですので特にその傾向が強く、以降のcやdはひたすら真っすぐ伸びるのが基本です。 またこのセクションに与えられる角度は、トップハンドとボトムハンドが作る私の感覚的に自然なヨー角を反映したものです。
従ってcは完全に直線。 本来は先端まで全てcと表記して良いのですが、今回はかかりをよくする為に、ほとんど視認できないレベルの曲げをdに与えました。

上のラインは基本的に下のラインをトレースする形で伸びてもらいます。 実際に整形してみて感じたのは、上下のラインを思った通りに別々に整形するのは至難の業だということです。 最終的に、元よりやや開き気味に整形して上下のライン調整を終えました。



②ボトムラインの設計
さらに横から見た際のボトムライン つまりロッカーの設計をします。


20140713141339_002 (2)

アルファベットを振っていませんが、ヒール部分は市販品ではまず見られないほどの大きなロッカーになるよう削り込みました。 シャフト形状が違ったために製品化の段階で差異が生じてしまった物に、正しいロッカーを与えます。
しならせるシュートを打ちにいく際にBの区間がべったりと着氷するよう、Bを限りなく直線・平坦に整形しました。 またそのロッカー角は、EastonのDual Lie的な思想から、私の目的とするシュートを打つ際に最適と思われる傾きに調整してあります。 Eastonのようにその角度を具体的な数字として決めたわけではありませんが、実際に手を動かして確かめながら作業を進めたので、少なくとも闇雲にできあがった角度ではありません。


③トー形状
前段で説明したところのBセクションの特徴は、市販されているブレードの中にも見ることがあります。 その多くはスラップショットを重視するディフェンスマンのパターンで、かかりの良いスクウェア・トーである事が多いように思います。
20140713141339_001 (2) しかしトー形状が四角いものは、とにかくトーイングが難しくなります。 それは右図のように、着氷している点とパックに触れる点とにズレが生じて、ピボットのような力が働くからです。
そこでトーロッカーを増やしたり、角を丸くしていくことによって、着氷点はどんどんズレを解消していきます。 トーイングをより多く使う必要のあるフォワードにラウンド・トーが多いのは、こうした原理によって技術が易くなるからです。
しかしそうやって丸みを帯びていくほどに、スクウェア・トーの長所も失われていきますから、これはよく考えて削る必要があります。

2nd pattern

主にそのような背景から今回試してみようと思ったのがこの形です。 なんだか多角形のような、角があるようなないような・・・。 ラウンド・トーとスクウェア・トーの間の子のような造形を考えてみました。 一応ハンドリングしてみましたが、トーイングするのには違和感がありませんでしたね。


→仕様の決定
注文する際にスティック全体の仕様を決めます。 これがなかなかおもしろくて、前回の注文では選べなかった内容がたくさん追加されていました。

order sheet

これがオーダーシートなのですが、私自身は第2弾として仕様を次のように選びました。

  • モデル・・・Easton V9E(前回から変更なし)
  • カラー/グラフィック・・・V9=ホワイト
  • 表面処理・・・エクストラグリップ
  • フレックス・・・65
  • シャフト・・・V9E スクウェア
  • ブレード・・・V9E プロ(変更なし)
  • ブレードパターン・・・オリジナル

まず、こんだけ選べるんだって事ですよねw 前回はなーんにもなかったです。 結果的に、65flexとかスクウェアシャフトとか、まだ日本に一度も・一本も輸入された事のない仕様てんこ盛りになってしまいました。

中身はV9Eだけど外見はV9の白いペイント・・・こんなのもできちゃうんです。 オレンジ色はダサいので白くしようと思いました。 ソチ五輪の時はテレビに穴が空くほど選手のスティックをカウントしたんですが、こっちの白いグラフィックばかり見つかって、V9E本来のオレンジ色は各チームに1人くらいしかいませんでした。 中身と外側が違うなんてその時は考えもしなかったので内心すごく焦ったんですが、そりゃーこんな選択肢があるなら白を選ぶ人続出すると思います。
グリップにも、よりいっそう強いエクストラグリップというのが追加。 迷わず選びました。
フレックス65は、本当は60とか55とか選んでみたかったんですが、これが今ある選択肢で一番柔らかい物なので・・・(´・ω・`)
シャフト形状にも色々あって、私はスクウェアを選びました。 シャフトが角張っている物だそうですが、日本に入ってきた事がないので代理店の人も実際に目にしたことはないそうです。 私は昔っからそれが好きだった・・・というよりEastonの嫌いなところを挙げろと言われたらシャフトが丸い事だったりするくらいなので、即決でしたね。 他にもめぼしいところでは過去のモデル・S19のシャフトが選べるようです。 S19はNHLでもつい最近まで多くの選手が使い続けていました。 何を隠そう、Phil Kesselもそうでした。
ブレードにも種類があり、これは前回と同じ物を選びました。 理由は簡単で、私はブレードには耐久性を求めているからです。 市販品は論外ですし、他にあるNHLモデルというのは耐久性よりパフォーマンスを重視した物だと聞きました。 柔らかいけど重いのとか、軽いけど硬いのとか、どれもすっごく試してみたいんですけど、日本じゃ絶対不可能ですもんね・・・。 ちなみに私の選んだプロという種類のブレードは、高校生から今に至るまで、1本しか割れたことがありません。
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2014/07/14 Mon. 17:42 | trackback: -- | comment: 0edit

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