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実用や本質と立場や正義がせめぎ合うブログ

コインは表と裏がくっついてコイン。 表の後ろを裏と呼び、裏の前を表と呼ぶ。 要するにコイン。

キックポイント特性とシューティングについて 

ミッドキックとトーキック、ひいてはスタンダードとテーパードという2つの規格の違いについて書いておきます。 スティックを選ぶ時、シューティング理論を考える時、今感じている不満に対する資料としてお読み下さい。

Think about sticks and shooting through kick point.


※先に
こちらの記事をお読みになる事をお勧めします。
その上で、今回の記事ではキックポイントについて特に着目してまとめてゆきます。
まず初めに、キックポイントとは何かについてしっかりと考えなければいけません。


【キックポイントってなに?】

現在のカーボン製スティックには、制作・設計段階で特に良く曲がるポイント(セクション)が定められています。 これがキックポイントと呼ばれ、スティックの性格を大きく左右します。


【キックポイントってどうやって作るの?】
一考するべきは、なぜキックポイントが存在するのかという事です。
もし上から下まで全く同一の剛性でスティックを作った場合、そう安易に屈曲が1ヶ所に集中するなどという事は起こらないはずです。 そうなっている現実を鑑みると、キックポイントとそれ以外の大部分とは、
相対的に剛性が異なる事がわかります。
「相対的」という言葉を強調したのは、その部分の絶対的強度が弱く、壊れやすいという意味ではないからです。 剛性≠強度。

カーボンの積層や、場合によっては形状自体を変化させる事で意図的に剛性の分布を変えて屈曲が集中するポイントを創り、その位置も自由に設定してスティックの味付けを行っているのです



【キックポイントの種類】
ホッケースティックのキックポイントには、大別して2つあります。

ミッドキック
キックポイントがスティック中央付近にあるもの。

名称未設定 1

ボトムハンド周辺がしなるので自然なしなりが感じられる。 実際に手にしている部分が屈曲するのだから、実感として曲がっている事が如実に伝わってくる。
キックポイントからブレードまでの距離が長いため、反発(リリース)時はある程度の時間をもって大きく回帰する。 これによりリリースまでにかかる時間は当然長くなり、よりクイックな反発を求めるフォワードには敬遠される傾向でもある。
併せてストローク(図中のA)が大きくなるため、シュートモーションが大きくなる。 ただし
その時間的余裕は、自分のパワーを最大限伝えるための“タメ”となってくれる。 しかしこの意味でも、シュートを打ち終わるまでに必要とする時間が比例して延びる。


ローキック
キックポイントが先端付近にあるもの。

名称未設定 2

キックポイントは両手で持っているセクションよりにあるので、手の中でしなりが感じられにくい(フレックスポイント以外が全くしならないという事は決してない)。 その為、フレックス表示よりも硬いと感じられる傾向がある
キックポイントとブレードは非常に近いので、ストロークも小さく、リリースも小量が素早く回帰する。 ストロークが小さいということは小さなモーションで打ち了る事ができる一方、入力を反発量に置換する絶対的な許容量が少ないという事でもある。 この傾向はキックポイントが先端に近づくほど強くなる。


文章を簡略化するためにサラっと書いていますが、上述の特徴は全て太字・色フォントにして下線を入れてもいいくらい重要な事ばかりです。



【キックポイントとシャフト規格の関係】

スタンダードの後に登場して現在主流となったテーパード規格は、基本的にローキックのスティックを作るために誕生したと考えられます。 現在においてはテーパードシャフトでもミッドキックの物は存在するようですが、特別な理由がない限り、先端付近が細くくびれていくテーパードをミッドキックに仕立てるのは効率の良い物作りとは言い難いと私は思います。


【フレックス表示とキックポイントの関係】
例えばここに、同じFlex80と書かれたスティックが2本あるとします。 2つはそれぞれ異なるモデルですが、会社は同じで、フレックスの計測方法も同じです。
フレックスの計測方法で一般的に広く信じられているのは、“スティックの中央に何lbfの力を加えれば1インチ曲がるかを観察する”というものです。 (ただしこれはメーカーから発表されたものでもなければ、統一規格でもないし、表示を取り締まる機関もありません。 仮に社内で計測方法を変更したとしても告知の義務さえありません。)
同じ会社内で同じ方法を用いて計測され、「このスティックは実験の結果Flex80である」とラベルが貼られた2つのスティックなのに、使ってみると硬さに差がある事があります。 その一因の予想として、キックポイントの位置が異なる可能性が挙げられます。
つまりしなっている事が実感として感じられやすく、実際の変形量も大きくなるキックポイントの位置が高い物は「柔らかい」と感じ、手元でそれが感じられないキックポイントが低い物は「硬い」「自分にそぐわない」と安易に判断している場合があるという事です。

既に述べたところでもありますが、1.変形量(ストローク)が小さく 2.しなっている事が感じられにくい という2つの特徴を持っているローキックのスティックを、その真逆の特徴が付与されたミッドキックと単純に比較してしまっては、正しい感想が得られないのは自明の理ではないでしょうか。



【具体的問題点】
ここまでの事実確認の末に、こういう問題が日本のホッケーシーンには多いんじゃないかな?というものをいくつか考えてみました。

①日本人は基本的にミッドキックを欲しているのでは?
「ああ、今めっちゃ曲がってるよ!」というあの感覚。 そのナチュラルなしなりを伴う打球感って、基本的にミッドカーブのそれだと思うんですよね・・・。
繰り返しになりますが、テーパード規格に代表されるローキックのスティックというのは、しなる量は少ないわ、手元の感覚は硬いまんまだわ、およそ「曲げてる!」という感覚とは一線を画すものだと私は考えています。
それなのに、お店や氷上でちょいちょいと曲げてみて、「あんまり大きくしならないな・・・(´・ω・`)」って。 それはちょっと違うと思うんです。



②「硬い」って・・・それもう曲がりきってるんじゃ?

今度はローキックからの視点です。
曲がる量も少なく、手元はほとんどしならないスティックでシュートを打とうとする時、もっと飛ばしたいからと言ってむやみやたらと体重をかけたり、ボトムハンドを押し込んでいませんか? 「もっとしなれ」って。 そりゃ飛ばないですよ・・・だって真ん中がしなるわけじゃないし、そもそも大きくしなる物じゃないんですから・・・。
ローキックの球速を向上させる要素は、“どれだけしならせたか”ではなく、
“どれだけ急角度に曲げたか”。 これに尽きます。
ローキックであればあるほど、キックポイントからブレードまでの距離は短くなり、反発を押さえつけるのに強い力が必要になります。 一瞬で全力を入力し、即座に開放(リリース)までを完了するスピードが肝要です。
ミッドキックのようにタメて待ってくれてなどいないのですから、無謀なしなりを求めて体重をかけたところでリリースのタイミングを逸して悪循環に陥るだけです。 スティックの質の違いを理解して、自分の力を良い方向に使わなければいけません。


③いいトコ取りは難しい
「シュートを打つ時は柔らかく大きくしなるが、レシーブやハンドリングなどその他のスティックワークでは充分な硬さが得られる」・・・そんな都合のいいスティックがあったらとっくにバカ売れしてるでしょう。 いいトコ取りというのは、基本的にうまくいかないものです。
シュートの事だけを考えたら、確かに柔らかめのスティックの方が好まれる傾向があります。 しかし、例えばミッドキックのスティックでそれをやると、レシーブでさえ危なっかしくて手につきません。 パックの質量は変わりませんから。
だから昔から、とにかく筋力をつけて、可能な限り硬いスティックを使いこなせるようにするという解決方法が王道だったわけです。 あるいは、そのような柔らかいスティックを使いながら、レシーブもハンドリングもコントロールも一級を目指すという方法もあります。 しかし実際にはNHLプレイヤーのような才能あふれる選手でさえ、「柔らかいのなんてムリ!○○は特別な天才さ」とコメントする記事が散見できます。
ある意味このような問題に対する特別な解がローキックスティックだったりするのですが、それは最後尾の【番外編:あり得ない性能】に書いておきますので興味のある方はそちらをお読み下さい。



【理論の一例】

最後に、現在の私のシューティングへの取り組みようを書いておきます。 これはあくまで一例として例示するものです。 ここまでは極力事実かそれに類する程度の事だけを書いてきましたが、ここから先には私の感覚・感想・理想などが含まれています。 世の中に正しいスキルも間違ったスキルも存在しません。 ただ結果からくる感想が優・劣の評価を分けているだけです。 私の意見が正しいという事もなければ、昨日ホッケーを始めたあなたのスキルが間違っているという事もありません。 あくまで事実から理論を組み立てて取り組むというあり方の参考にして下さい。


まず私が今現在選択しているのは典型的なローキックスティックです。
本来の感覚的な欲求からすれば、私もミッドキックを選択したいところです。 打っていて気持ちいいのは間違いないですからね。 しかし今のところは、自分がこれと決めたシューティング理論に実に合っているという判断から、ローキックが最適であると考えています。

これまでもある程度の正しいねらいをもって取り組んではいましたが、調子が悪く、シュートが飛ばない時に、もっとしならせることで解決しようと漠然と考えていました。

そうすると全く飛ばなくなります。 あげく、「なんだか硬くて自分に見合っていないような気がする・・・」などと安易に考え始めたりもします。
それで今回深く掘り下げ、きちんと再認識して考えて実践してみたところ、以前よりずっと少ない労力で実によく飛ぶようになりました。

まず、ローキックという造りは、我々が考えているよりもずっとしならないという事を、深く深く再認識しなければいけません。 これは完全に私の感覚ですが、
10cm。 ボトムハンドが沈み込むストロークは、拳1つ分程度しかないという気持ちに変更しました。 大きな力を込める私のノースアメリカンショットに際しては、身震いした程度にも感じられるイメージです。

そして、とにかく先端を折りに行くイメージ。 ぐにゃっ とか ぐいーん とか びよーん みたいな比喩では物足りない、グシャッッッッ とか パシャーン! という、瞬間的にスティックがとんでもない状態に陥るようなイメージでトップハンドを引っぱります。
なおかつフォロースルーに入って一連のシュート動作が終了するまでの早さをとにかく気をつけます。 悠長に体重をかけるなんてありえません。 とにかく一瞬で折り曲げ、いち早くそれをリリースする事が最優先で、それを達成するためにシュートモーションを小さくしていきます。
もちろん充分な腕力ありきの話ですが、いちいち体重をかけなきゃいけないような大量のベンドは必要ありません。 また、ローキックにおいてはシュートモーションの小ささと球速の向上が相反しないと私は考えています。

もしスラップショットを打つ際にも、真ん中からしならせようと思ったってしなるものではありません。 しなるのは先端だけ。 なので、ローキックで打つならとことん振り抜くのが正義でしょう。


これ以上話が進むとエイスターンとか 普通の人には意味不明な単語が出てくるのでやめますが、シューティング理論というのは、この前段までに説明したような“事実”をまず参究して明らめた上で、主観に基づいて結論づけなければいけません。 事実の上に成り立つのなら、それを順接的にくみ取っても、逆説的に受け取っても構わないでしょう。 「~だから、こう」でも、「~だけど、こう」でも、事実を基にしていればそれは個人の自由です。
ただし事実の観察をせずに語っていては論に厚みなど生まれないし、そういうのは理論ではなく“theory”ってヤツですよ。 私は多くの人が理論を持ってくれたらきっと色々楽しいホッケーが増えると思います。
 それに、自分一人じゃ全てを考え尽くすなんて不可能ですし!


【番外:あり得ない性能】
シュートを打つには柔らかいスティックの方が打ちやすいですよね。 少なくとも自分の能力を超えた硬いスティックは使いこなせません。 特にクイックショットを打つ時は手打ちのようになりますから、柔らかい方が使いやすいです。
しかし、スティックというのはシュートを打つだけではありません。 レシーブもハンドリングもしなければいけません。 そうやって色々なスティックワークの事を考えると、柔らかいばかりでは全然手につきません。
これが今まで多くの人を悩ませてきました。

これに対する1つのオーソドックスな答えが、筋トレしまくってできるだけ硬いスティックを使えるようにするというものでしたが、技術の進歩によって新しい道が見え始めています。
それは典型的なローキックスティックを柔らかいフレックスで作る方法。


これまでのミッドキックスティックでは、先端のブレードにパックが振れると大きく影響されてしなりが生じていました。 パックの質量は約160g前後。 スローモーション映像を見ればわかりますが、スティックというのはあなたが素振りしただけでもけっこうしなります。 パックが先端に接触すれば、ハンドリングだけでもけっこうたわんでいるんですね。 レシーブやワンタイムショットではとても強く影響されてしまいます。
ところが、ローキックなら極大屈曲点がブレードと近いので、パックの影響を受けにくいのです。 というより、ミッドキックが影響を受けやすい素質であると表現する方が正しい見解かもしれません。
つまりローキックの要素を極大解釈したスティックであれば、“柔らかくて硬い”スティックが実現できるかもしれないという事です。 というより、事実として今現在そういうスティックが販売されているのかもしれません。 そう考えると、私はやはり今のV9EでFlex70などを注文してみたくなりますね。

このように、ローキックスティックには開発の“夢”があるんですね。 ローキックの開発が盛んになるのも頷けるのではないでしょうか。 私もプレイヤー側の一人として、ちゃんと使いこなせるよう努力したいですね。
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2014/02/11 Tue. 01:25 | trackback: -- | comment: 0edit

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