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実用や本質と立場や正義がせめぎ合うブログ

コインは表と裏がくっついてコイン。 表の後ろを裏と呼び、裏の前を表と呼ぶ。 要するにコイン。

世界の靴を買ってみよう 

久しぶりに実のある記事でも書こうかと思いました。 必要は発明の母(?)
こないだから日本のスピードスケートブーツ工房・エイサップに靴を発注し、色々な事をしていますが・・・では、「海外の工房にぜひ注文したい!」という場合、どのような事に気をつけるべきなのか、また実際に質問をするとどのような答えが返ってくるのかを考察・検証していきたいと思います。
順次追記していく延長式記事です。

How to order custom shoes to foreign shops.


現時点で私が確認してる世界中のカスタムシューズ工房・メーカーは14社。 その中で最終候補に残るのはSierra(仏)、Simmons(米)の2社です。 強いて挙げるとすればPinnackle Racing(米)、riivo(米)も候補です。
今回は前者2つ SierraとSimmonsに照準を定めて話を進めてみましょう。



この2社は、それぞれインターネット上に型取りの動画をうpしています。


こちらはSimmonsの公式型取り解説動画なのですが、正直自分で自分の足を型取りするという図は司会進行上もたつきすぎてイライラしてきますw
というより、むしろ向こう側に見えているTTバイクが放つオーラの方が気になる。

非公式ながらちゃんと顧客に対して型取りを行っている映像がこちら↓


手際が違いすぎる。

どちらにしても注目すべき点は同じです。
  1. 医療用のギプス用ロール剤で整形
  2. 足の甲に金属板を1枚入れておく
    →硬化した型を割る際に足を傷つけないため
  3. 巻く前にワセリンを足に塗る
    →くっつき防止
  4. 折り返してもいいからとにかく巻いていく
    →重要なのは内側の形
  5. 足の下には適度に柔らかい床を用意
    →タオルを数回折り畳んだ物や、スポンジマットなど
  6. 巻き終わったら空気をしっかり抜き、密着させる
  7. 用意した床の上で、足を垂直にして静止する
    →横からは膝の皿とつま先が垂線で結ばれる位置まで前傾
  8. ある程度硬化したところで上甲部をカット
    →カットできるくらいには硬化していなければならない
  9. 金属板を取り出し、甲にギプスを押し当てる
  10. またしばらく姿勢を維持してから足を抜く
  11. 開口部が広がっているようなら閉じて整える

この時点で比較対照的に考察すべき点が挙げられます。
まず1つに、Simmonsでは自然な足の形を重視するということです。 柔らかい床を用意した上で、体重を掛けるわけでもなく自然に足を置いて型取りしています。 足裏は丸みを帯び、人間的・生体デザイン的な曲線がそのまま表れています。 また床の設置角度も完全にフラットです。
Asap lustエイサップではどうだったかというと、最初からアーチ型とも言うべき靴底部分を置いて整形しました。 既にかかとを持ち上げて前傾させた状態で硬質の床が用意されているわけですし、出来上がったラストを見ても差ははっきり表れています。

「型取りの時点で靴底アーチの角度をつけるか否か」ということについては、私はエイサップの型取りの方が正しいのではないかと思うのですが、これこそ是非にでもSimmonsとSierraに聞いてみなければならないでしょう(`・ω・´) そこには当然彼らの理論・理念があるはずです。
余談ですが、競輪選手が靴をオーダーするとベタ足の型取りをしたがるそうです。 靴底のアーチは本当に奥が深い問題ですね。



次にSierraの動画を見てみましょう。


別の意味でSimmonsより作業が洗練されていますね。 超抽象的ですが、フランス人らしい感じがします(謎

Sierraも基本的にはSimmonsと似た感じです。 惜しむらくは、Simmonsの動画と違って型を足から外すところまで撮影されていないこと・・・。 動画が示している範囲で確認していきましょう。
  1. 医療用ギプスで制作
    →ただしSimmonsと違い、必要な大きさに切って使用
    →比較して大きな医療用プラスター
  2. (おそらく)フラットな硬質スポンジで床を用意
  3. プラスターを浸す水桶の中身が白濁しているものの
     おそらく糊は含まれていないごく普通の水
  4. 用意した微軟性の床にラップを貼る
  5. その上に1枚プラスターを載せる
  6. 被者の足をその上に乗せ、プラスターを切断して適度に足裏を覆う
  7. かかとからつま先に向かって、後方を覆う
  8. さらに両側面から1枚ずつプラスターを使い、甲を覆う

この後はおそらく硬化するまで待った後、普通にギプスを取り外すだけでしょう。 「普通」と言ってもどのように取り外しているのかは少し頭をひねりますが・・・。
処置前における足へのワセリン等の塗布はありませんが、別にやったって構わないと思います。

Sierraが用いているプラスターの枚数はSimmonsとは比較にならないほど少なく、各部位1枚といった感じ。 ぺらっぺらです!(´゚д゚`) ぐるぐる巻きだったSimmonsに比べ、こちらは全くムダがありません。 この動画ではたったの4枚で足全体を覆っています。
また、Simmonsと同じくフラットな床で型取りをしていますが、Simmonsよりは硬そうに見えます。 うーん・・・これでいいのでしょうか。 やはり聞いてみなければ(`・ω・´)



こうして2社の型取り風景を確認したところで、彼らへの質問を考えてみましょう。 これには、単に自分のわからないことを質問するというだけでなく、彼らの靴造りに対する姿勢を推し量るためのものも含まれています。 現時点で思いつくものを列挙してみます。

<Simmons宛て>
  1. 型取りの際に甲の部分に開口部を設けるが、厳正な型取りという意味で問題はないのか?
    →まず金属板が入っている事。 さらに足を引き抜く際に形状が変化してしまうことは靴の仕上がりに影響しないのか。

  2. 動画中ではタオルの上で型取りしているが、床は柔らかい方がいいのか?
    →足裏の形は自然な曲線があらわれた状態が好ましいのか。 あるいは、少なくとも脚部の自重で接し、平面を反映した状態が望ましいのか。

  3. 型取りの際、床はフラットでいいのか?
    →動画中では、膝頭とつま先を重ねてやや前傾している。 しかしスケートブーツにしろサイクリングシューズにしろ、本来は靴底にアーチが備わって前傾しているのではないだろうか。 運動中に近い姿勢で型取りをするのに、床がフラットなのは厳密な型取りと言えるのだろうか。

  4. もし靴底のアーチが必要なのだとしたら、どのような高さ(落差)が最適なのか?
    →体を採寸して算出する理論的な数値や、ロード・トラック・CXといった用途から導かれるセオリーは存在するのか。

  5. 本当に型だけで完璧なオーダーは可能なのか?
    →出力時に大きく張り出してくる筋や腱、押し下がってくる軟骨などを触診する必要はないのか。

  6. カスタムインソールとの関係はどう考えているのか?
    →Simmonsでは、カスタムインソールについてどのように考えているのか。 靴底がカスタムインソールを兼ねるなら、靴底を反映する柔らかいインソールを入れるべきだと思うが、そうでないなら、予め型取りの段階でカスタムインソールを床にする必要があると思う。
    →もしカスタムインソールを挿入する前提で靴を作ってもらうなら、どのような型取りを行えば良いのか。
    →通常Simmonsではどのようなインソールを付属しているのか。

  7. BOAのような近代的レーシングシステムの用意はあるか?
    →これ以外にもどのようなオプションがあるのか教えて下さい。

  8. 私は親指の爪が上を向いているが、これに配慮した造形は可能か?

  9. Speedplayの4つ穴マウントについてはどうか?

  10. かかとやつま先の保護部品はどのような形式で、交換品の用意はあるか?

  11. 全ての靴は全く同じ理念で作られるのか?
    →走行距離や運動強度の違いに応じて設計の理念を変更することはないのか。 例えばトラックにおける1kmTTに使用する靴と500km以上を一気に走るブルベに使用する靴であっても、全く違いなく制作されるのか。

  12. 靴のやわらかさ(しなり)は選べるのか?
    →前の質問とやや重複するが、完全剛体のような剛性を持つことだけが靴の全てではないと思う。 靴のしなりは選べないのだろうか。
    →また同様の理由から、靴の中に足が遊ぶ余裕があることも重要である場合があると思う。 さらに付け加えれば、中敷きの表面素材と、アッパー部分の造形によって遊びには充分に変化があると思う。 この点についてどのように考え、どのようなオプションが用意されているのか。

  13. 日本人(アジア人)の靴を作るということについてどう考えるか?
    →今まで日本人の顧客に靴を作ったことがあるか。
    →もしないとしても、外国人の足との違いについて何か考慮すべき事や、不安に思う点はあるか。

<Sierra宛て>
  1. 動画中には描写がないが、どのように切開し、足をギプスから引き抜いているのか?

  2. 他の工房の型取りに比べ、使われるプラスターの枚数が圧倒的に少ないが?
    →多いと制作に支障を来す理由はあるのか。
  3. 動画中、比較的硬質かつフラットな床で型取りしているように見えるが、あなたの型取りの理念は何か?
    →平面上に押しつけられた状態で型取りした方が良いのか。
    →あるいは脱力状態で型取りするのが望ましいのか。


    以下、<Simmons宛て>の3~13まで重複。



質問がそつなくまとめられているとは思いませんので、後から「あ、あれも聞いておけばよかったのでは」ということもあるでしょう。 それは順次追記していくことにします。
まずはこの状態で質問を英語にして返事を待ってみます。 この質問状の英訳だけでも、ネイティブ並に英語のできる誰かにお願いしてみてもいいかもしれません。

あと一抹の不安がぬぐえないのはSierraがフランス語のみの対応もあり得るという事・・・^q^



【2013/6/12 追記】
Simmonsから返事が来ました!


1. Its ok to open the casting to pull your feet out , you will close the opening back together and it will finish drying that way and we will have a good mold.
→ギプスを切開して足を引き抜いても別に問題は起きないよ! いい型取れます☆
 
2. We like to use a soft surface like a towel that way we get the shape of the bottom of your feet. If you stand on a hard surface it make a flat insole and you might have pressure point then.
→硬い床に立ったりなんかしたら足裏の形まっ平らになっちゃうから、柔らかい物を床にして型取りしてね。
 
3. We like the person to have there knee over the big toe and straight up and down. This has your ankle leaning forward a little and that is how you are when riding a bike or skating.
型取りの時は、やっぱり指示した通りの姿勢をとってね。 あれがスケートにしろ自転車にしろ運動時の足のかたちだから。

4. a custom shoe is built off of your casting with the shape of the bottom of your feet so the insole is made into the shoe and we don't put a additional insole in.
→カスタムシューズは型を使って作られるので、そこにはあなたの足の形が表れているし、こちらではその上別のインソールをあてがうということはないね。

5.We don't have the BOA system. Our shoes can lace up with a flap that closes over the laces with a buckle system. Or on the all carbon shoe(mojo) there are no laces just the hard cover that fastens down.
→BOAみたいなレーシングシステムはできないんだ。 うちでできるのは、紐締め+ベルクロか、総カーボン製のMojoだけだね。
 
6. We are a custom shop so we make each shoe to the customers wants and needs. Some want to wear socks and have a looser fit while others want to not wear socks and need a snug fit to get the most power they can for sprinting.
→うちはカスタムシューズ屋だから、お客さんの要望に応じて色々つくってるよ。 スプリント特化の人は靴下も履かないでひたすら密着するような造りだし、靴下を履いてゆるく作る事もある。
 
7. We have made skate boots for people in Asia and you are right your feet are different but with a mold we don't have to worry because we have your feet here. Not like a stock shoe and it is designed for thinner feet.
→確かにアジア人であるあなたの足は普通とは違うんだけど、心配するこたぁないよ・・・君の足はここにあるんだからさ☆
 
Mojo shoes are the stiffest ,lightest shoes out there. David wears them in Florida and it is very hot here and doesn't have problems. If the customer wants vent holes we can add them if they want.
→Mojoは軽くて硬い(ry フロリダで使ったって平気だったよ。 必要ならベンチレーションホールをあける事もできる。

The shoes that have the leather upper would not be as stiff as the all carbon shoe.
→革のアッパーを使うと、フルカーボンにするよりは剛性を抑えられる。

You would let us know what cleat you plan on using and David can let you know if he can make that work and where you want it placed.
→特殊なクリートについては都度相談だね☆
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2013/06/08 Sat. 14:08 | trackback: -- | comment: 0edit

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