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実用や本質と立場や正義がせめぎ合うブログ

コインは表と裏がくっついてコイン。 表の後ろを裏と呼び、裏の前を表と呼ぶ。 要するにコイン。

本名を誰も知らない 

Soyo Tire Redstorm 2少し前、大和紡績株式会社というところへメールを出しました。 あなたはこの会社が何を作っている会社か知っていますか?

Information about seamless tires.


大和紡績株式会社。 一般向け社名、Daiwabo(ダイワボウ)。 何を隠そうシームレスタイヤで名高いタイヤメーカー、Soyo Tire(ソーヨー)の母会社である(*´ω`)
聞けば、ソーヨーという会社はずいぶん頻繁にその母体を変えてきた歴史があるのだとか。 私にはうかがい知れない苦労があるのかもしれません。 今回は、ソーヨーの看板商品であるシームレスタイヤについて質問をして、その回答がメールで得られたので記事にしたいと思います。 ソーヨーはパンフレットもウェブもかなりやっつけで情報がほとんどないので、文字ばっかりでつまらない記事ではありますが誰かの役には立つと思います。
自分の情報保管の意味も込めて。



1. シームレスタイヤの種類
今回私が質問したのは、当然ロード用のタイヤが主眼。 トラック用のことはほとんど興味がありません。
現在製造・販売されているシームレスタイプのタイヤは、ロード用が2種類とトラック用が4種類。 ロードのフラッグシップモデルはCRで、廉価モデルとしてCR-Ⅱとなります。
以後は基本的にロード用タイヤであるCRとCR-Ⅱのことについてのみ書いていきます。

2. 中に入っているチューブの素材
CRとCR-Ⅱに使われているチューブは、当然ながらラテックスチューブです。 ブチルじゃありません。
私が少し気になったのは、ソーヨーではラテックスチューブを使うことにより耐パンク性能が向上するなどと考えていることです。 「強度・伸びともに優れているラテックスチューブならば、仮に耐パンクベルトがなくても十分使用に耐える」という認識だそうです。

3. ケーシングの素材
シームレスタイヤのケーシングには、エジプト綿糸が使われています。 エジプト綿というナイル川周辺に固有の綿花があるのだそうで、繊維は細くかつ強く、絹のような光沢があるのが特徴なのだそうです。 高級チューブラータイヤの最高峰は昔から絹(セタ)と相場が決まっていますが、これだけの価格にしておいてなお絹ではなくエジプト綿糸を使うのですからきっとこだわりがあるのでしょう。
ケーシングの質を表す基準の1つに、TPIがあります。 これはある一定の面積中にどれほどの繊維がひそんでいるのか示すものです。 各社のフラッグシップモデルはだいたい300TPI前後のところ、CRはなんと516TPI! ブッチギリの細かさです。 しかし手にとって実物を見ると、外からは86TPIにしか見えないそうです。 これは、細いエジプト綿糸を6本縒(よ)りの縒り糸にして使っているからです。
ただしCRとCR-Ⅱにはケーシングに差異があります(後述)。

4. CRとCR-Ⅱの差異
当然気になるのは、この2つのモデルの差異点。 価格はそれぞれ2万6,250円と、1万8.900円となっています。 下位モデルのCR-Ⅱでさえ他の会社のどんなトップモデルより高い・・・というぐらいの価格設定ですが、この2つのモデルでなぜこんなに価格差があるのか、その理由はキッチリ抑えておきたいところ。
まず、CRは紛れもないトップモデルであり、あくまでCR-Ⅱは廉価版という位置づけを確認しておきましょう。
物作りの世界では、「廉価版」という言葉がなかなか当てはまりにくい製品ラインナップもよく見受けられます。 しかしCR-Ⅱは本当の意味での“廉価版”だと思って下さい。 CR-Ⅱとは、CRより価格を抑えようとしてできた製品だからです。

改善や変化を期待してBを開発してみたところ、結果として材料費がAより安くついたため安くなったという類の物ではありません。

CRとCR-Ⅱの差異点は以下の3つ。

 ・耐パンクベルトの有無
 ・(それによる重量減)
 ・ケーシングの素材
 ・仕上げ糊の塗布回数

耐パンクベルトをシームレスの中に設置するのはとても面倒な作業のようです。 耐パンクベルトを取り払うことによって作業効率を上げて経費を下げることができます。 廉価版であるCR-Ⅱの方が15g軽量なのは、7割方これによるものです。
また、CR-ⅡのケーシングをCRに比べてやや太くすることで価格を抑えています。 既にCRのTPIについてはふれましたが、CR-Ⅱは504TPI(外見上84TPI)とやや細やかさで劣ります。 ・・・いや、504TPIでも十分すぎですけどね^q^
仕上げ糊というのは、実際の性能にはあまり関係がないと思います。 CRは二度塗り、CR-Ⅱは単塗りなので、CRの方がサイドに光沢が出ます。 光沢が出たから何だ?って話なんですが、もしかしたら耐候性などに若干のアドバンテージを得られるかもしれません。 まぁその程度です。
ゴム・コンパウンドについてはCRとCR-Ⅱで違いはありません。

5. 走行距離
これだけ高価だと、どれくらいの距離を走れるのかは大問題でしょう。
これについては2つの考え方があると思います。 耐久限度走行距離と、開発目標走行距離です。 前者は、実際に使ってみてどれだけ耐え得るかを示すもの。 後者は、開発段階でどれだけの距離をターゲットにしたかを示します。 これは例えば消費期限表示のようなもので、本当に食えなくなる限度を指すのか、おいしく頂ける期限を指すのか・・・食べる側は考えるものです。
これについてしっかりと明記してメールしたところ、「耐久限度距離は3000kmだが、究極の決戦用を目指しているため、開発段階での目標限度距離は設定したことがない」という・・・わかったんだかわからなかったんだかよくわからない回答が来ましたw

6. 購入方法
ソーヨーの直販ページから買えるので、結局は直接取引していると思うのですが・・・少なくとも建前としては、ソーヨーのタイヤは全て取扱店を通じて買ってくれという事だそうです。
これらのロード用シームレスタイヤが発売された当初、穴の開いていないアラヤのダミーリムに乗せられて出荷されてくるというのが話題になりましたw 極力クセがつかないようにする工夫だったのですが、現在では若干空気を入れて出荷するにとどまっているようです。

7. 特別注文
実は、シームレスロードタイヤは特別な仕様で注文することもできます。 私は質問する前から、クラシカルな外観で仕上げるアメ色サイドで注文できるという情報をどこかで聞いて知っていました。 しかし問い合わせてみると実は他にも変更できる仕様があるとのこと。
まずサイドの色ですが、アメ色(素地色)どころか、仕上げ糊で処理している以上どんな色で仕上げることも可能なんだそうです。 ただし耐候性に問題が出る場合があるので、安易に違う色にすることは推奨していません。
またサイドの仕上げ以外にバルブの長さと種類も指定できます。 競輪では規格が固定され、今もフランス式ではなくイギリス式のバルブが使われていますから、ソーヨーには当然イギリス式のバルブだってあるわけです。 長さも選べるので、バルブエクステンダーを使わなければいけないディープリムにもスマートに対応できます。
このような特別注文は少なくとも1ヶ月半以上の納期がかかり、その上で通常生産品とのロットの都合上、その時々の状況に依存するため一概に納期を示すことはできないそうです。

8. 製造
一部の人(笑)にはとても重要な“産地”ですが、ちゃんと日本で1つ1つ職人が手作りしています。 島根県益田市に工場があるそうです。

9. アマンダスポーツ特注のΣ60について
千葉のアマンダスポーツでは、少し前からソーヨータイヤ製のΣ60というシームレスタイヤを販売しています。 これをCRやCR-Ⅱをベースにしたタイヤだと書いている人がいますが、アマンダに直接問い合わせたところ全く違う物だと仰っていました。
アマンダのΣ60はトラック用シームレスタイヤをベースに開発されています。 しかしそれはCRやCR-Ⅱも同じで、ソーヨーの製品は皆トラック用から派生した物なのです。 ところがΣ60はあくまでアマンダによる特別注文にすぎないので、ほとんどトラック用をそのまま転用したような仕様になっています。 具体的に言うと、Σ60はリムフラップとバルブ種類以外何も変わっていません。
ちなみにアマンダからの回答によると、Σ60の耐久距離も3000kmだそうです。



ソーヨー曰く、CRは一般道でのレースで勝ちたい場合、CR-Ⅱはサーキットコースなどで有効、Σ60は山に限れば他のCRシリーズを差し置いて一番の性能かもしれないとのことでした。
ただしどのタイヤをとっても、使った人の感想を見たり聞いたりする限りとんでもない性能のようです。 今回こうして詳しい問い合わせをしたのは当然使うか使うまいか検討していたからで、結果としては「おあずけ」になりました。 しかしタイヤという消耗品にお金をかけるというのは最高の選択肢の1つであることに間違いありません。 この記事を参考にして少しでも興味が出たら、ぜひ試してみて下さい。

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2010/12/14 Tue. 12:15 | trackback: -- | comment: 0edit

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