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実用や本質と立場や正義がせめぎ合うブログ

コインは表と裏がくっついてコイン。 表の後ろを裏と呼び、裏の前を表と呼ぶ。 要するにコイン。

スピプクリートを使えば楽ができるね 

10年以上前に販売されていた Vista Integral Pedal Unit という、専用設計のクランクとペダルのセット部品を皆さん覚えているでしょうか。 Zen Crank とか Crank Tip とか、その後それっぽい商品がいくつか世に出ましたが、結局、Vista と同じ構造のペダルは未だ発売されていませんし、いわんや一体型クランクをや・・・ ということです。

ご存知ない方・忘れてしまった方ばかりだと思うので申し上げると、Vista Integral というクランク・ペダルセットは、類まれな設計思想で多くの者をとりこにした一方、アイディアに対してあまりにクソすぎる設計が行われたせいで、Qファクターが 180mm 近くあるという まさにフランスの伝統的物づくりが感じられる自転車部品でした。 専用設計したのに、なぜただの Vista ペダルよりも Qファクターが広がるのか、これがわからない。 ちなみに当たり前ですが、Vista 社はとっくに倒産し跡形もありません。

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そこで、CADが使えるようになった今、こうして検証してみました。 ペダルのためのベアリングは、内径 25mm、幅 9mm です。 文字通り机上の計算ではあるわけですが、これで Qファクターは146mm。 きちんと設計しさえすれば、一般的なクランクと変わらない Qファクターで、偏心ペダルを楽しむことができるという確信が持てました。 今年はスケートの研磨機を作るのに投資をしているので無理ですが、来年はぜひこれを作りたいと考えています。

私の考える Vista 的偏心ペダルの優位点というのは、短いクランクの小さいペダル円軌道を変えずに、より遠い踏点を得られることにあります。 165mm の円軌道のまま、180mm のクランクと同じ踏点距離が得られるのだとすれば、これは低身長ライダーにとって素晴らしい選択肢になり得るのではないでしょうか。 なるかならんのか、それはやってみなければわからない。 試してみるしかない。

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2017/07/16 Sun. 19:41 | trackback: -- | comment: 4edit

コメント

ロードバイク関係のカスタム品の記事でときどき拝見させていただいております。
仕事で機械設計をしているのですが、そういった者の目線でちょっとコメントさせてください。
ペダル軸に大き目のベアリングを使用していますが、ラジアルベアリング1個ではペダルを踏み込んだ際に発生する偏加重ですぐにベアリングがダメになりそうです。
もう少し小さいベアリングでもいいので、2個並べることで、偏加重に強い軸構成に変えるべきかと思います。(Qファクター的には不利になりそうですが)

N村 #- | URL | 2017/07/24 12:40 * edit *

>>N村さん

こんにちは。
実は、同様の指摘・提案は、実際にお仕事でクランクの設計をなさっていた方からも教えていただいたことがあります。その方は、私が挙げた物より幅が2mm小さいベアリングを2列並べる案を考えておられました。ただし、N村さんもお気づきであるように、Qファクターには都合の悪い方向性であることは間違いありません。
本文中に挙げたベアリングサイズは、実は私が自分で考えたものではなく、Vista Integral Pedal Unit に採用されていた物と同じです。それで、実際にVIPUのベアリングはどれくらい保つのか ということですが、愛用されている方にお伺いする限り、1万キロ以下とのことです。常識的に考えればあまりに短いですね。
そこで併せて考えるのは、シマノのDDペダルです。シマノのDDペダルは、もちろんベアリングの耐久性についても真剣に取り組んだ商品でしたが、それでも故障は後を絶ちませんでした。現時点での私の考えは、いくら策を弄しても、片持ちペダルのベアリングを破綻なく設計することは不可能だということです。例えば、現在の薄型チェーンの寿命は数千kmくらいで交換だと言われていますが、もっと変速段数が少なかった時代はもっと高耐久でした。我々は、得られる機能と天秤にかけて、現在の耐久性を受容しているのですね。それと同様に、“そういう”機能がほしいという第一目標ありきで片持ちペダルの設計をすすめることは、機械的な整合性に乏しい構造を強いられることと同義なのですから、いさぎよくカートリッジベアリングを頻繁に交換する心構えで取り組んだ方が澱みない部品を手に入れることができるのではないか と私は考えています。
そこを両立しようとすることは、シマノでさえできなかったことで、ましてや構造・設計の素人である私には建設的な提案などできません。そして、シマノの失敗は、そこにふんぎりをつけることができぬまま商品化し、カップアンドコーンへの誇りを捨てられなかったことです。カセットベアリングなら、交換すれば被害はリセットできます。

ZENSHOJI.inc #- | URL | 2017/07/24 13:21 * edit *

お返事ありがとうございます。
そこまで考えておられるのであれば、何も問題ないですね。
結局はQファクター的に不利な方向ではありますが、複列ベアリングも検討されると、いくらかは耐久性があがるかもしれません。
https://jp.misumi-ec.com/vona2/detail/221000068616/

自分自身は偏芯ペダルの意義をそこまで見出せませんが、クランクを設計からして造り上げるという行為は憧れますし、正直羨ましいです。
自分も設計者として何か自分だけの自転車パーツを造りたくなってきました。
今後も記事を楽しみにしております。

N村 #- | URL | 2017/07/25 12:37 * edit *

>>N村さん

おそらく、知人が単列ベアリングを2つ並べる配置を提案した理由として、複列ベアリングで選んでしまうとサイズの選択肢が限定されてしまう点が予想されます。例えば、Vistaの設計を無視するとして、内径15mmのベアリングでは、複列では20mmからしかありませんが、単列を2個ならべるなら7mm*2=14mmからの設計も可能です。実際、「2cm飛び出すよ!」と言われたらけっこう悩みます。クランクとペダルの邪魔な寸法を含めたら、普通のクランクに比べて“片側”15mmほど広がるのですから・・・。
ただ、私の場合はひとつ強みもあって、最近はミッドフット・クリートポジションに移行したため、土踏まずがへっこんでいる分は ベアリングがせり出してきても吸収できます。だいたい5mmから、大きくて12mmくらいだと思います。これを利用してベアリングを複数列にすることは可能かもしれません。

できればすぐにでもクランクを作りたいのですが、今年は研磨機を作っているので予算切れです・・・。現在はサドルを作ってもらっているところです。届いたら記事にしますのでお楽しみに。

ZENSHOJI.inc #- | URL | 2017/07/25 14:44 * edit *

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